<揖夜神社 いやじんじゃ>
先日のブログ内で記事にした「雄略天皇の一件」で、
雄略天皇が葛城山で出会った一言主神という神様は、
実は事代主神のことではないかとも言われています。
雄略天皇の分身として現れた一言主神も、
鳥のあそびや天の逆手を施した事代主神も、
シャーマンとしての側面を持つだけでなく、
「あの世」とのつながりが深い神様ですね。
ここで思い出すのは、事代主神と同様、
何処からともなく美保の岬に現れ、
自ら常世の国へと旅立っていった
少彦名神という謎の神様です。
禁厭(まじない)を得意とし、
海の向こうへと去っていく二神からは、
異国の空気が濃厚に漂ってきます。
しかし、出雲神話を彩る神々であるにも関わらず、
なぜか両者ともに出雲における存在感は薄く、
二神を主祭神として祀る神社はほとんどありません。
事代主神と少彦名神にまつわるこれらの事実は、
いったい何を指し示しているのでしょうか……。
もしかすると彼らは、何らかの事情により、
本当の名前を伏せられた可能性もありそうです。