たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

天上界の思惑

2018-10-08 09:09:52 |  出雲の神話

<出雲大社 いずもたいしゃ>

 

***** 出雲の神話2 *****

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大国主神が地上界を治めるようになったころ、
天上界では天照太御神(およびタカミムスビ)が、
「地上界は私の御子であるアメノオシホミミに
統治させよう」という方針を固めていました。
そして、八百万の神々を集めて、
「まずは地上界の荒ぶる神々を平定したいが、
誰かを派遣したらよいか?」と尋ねたところ、
「アメノホヒがよい」という答えが返ってきます。

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ここで登場するアメノホヒという神こそが、

出雲国造家、つまり現在の出雲大社の

宮司家(千家家)の祖先だと言われています。

この謎多き出雲国造家については、

改めて項目を設けるつもりでおりますが、

大国主神をお祀りする出雲国造家が、

「天津神」の系譜だったという記述は、

出雲そして出雲大社という存在を考える上で、

重要なキーワードのひとつです。

 

ちなみに、この後アメノホヒは、

「大国主神に媚びへつらって、

三年たっても役目を果たさなかった」 と、

記紀神話には書かれております。

一方で、出雲国造家に伝わる

『出雲国造神賀詞』という奏上文の中では、

「アメノホヒは自分の子・天の夷鳥にフツヌシを副え、

地上界に跋扈する荒ぶる神々を成敗した」

という記述が残されていました。

 

どちらが正しいのかはともかく、

出雲国造家という古い家系には、

一筋縄では解けない深い史実が

潜んでいるのは確かなのでしょう。