たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

時代のうねり

2018-10-11 09:48:01 |  出雲の神話

<能義神社 のきじんじゃ>

 

国譲りの直前、三輪山の神からの啓示(恫喝)により、

自らの和魂をヤマトへと鎮めた大国主神は、

アメノホヒが地上界に送り込まれてきた時点で、

「時が来た」ということを悟ったのかもしれません。

そのときすでに、出雲包囲網とも呼べる「時代のうねり」が、

大国主神の周囲を取り巻いていた可能性もあります。

恐らく、国譲りを迫ったアメノホヒに対し、

大国主神はある条件を提示したのでしょう。

それは、大国主神自身の「荒魂」に関する問題であり、

日本という国を守るための重要案件だったはずです。

 

もしかすると大国主神は、

荒ぶる神・スサノオの御魂を宿す

自らの処遇を少しでも間違えたなら、

地上界だけでなく、天上界にまで被害が及ぶことを、

気づいていたのだと思われます。

出雲に留めた自らの「荒魂」は、

言うなればスサノオの息吹そのものです。

大国主神がすぐには国譲りに応じられなかったのも、

決して自分の保身のためではなく、

スサノオの化身でもある自らの扱い次第では、

地上界に災いが蔓延し、国土が荒廃する様子が

目に見えていたからなのかもしれません。