たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

大物主の御魂

2018-10-05 09:34:32 |  出雲の神話

<出雲大社 いずもたいしゃ>

 

少彦名神が大国主神のもとを去る場面で、

日本書紀の筆者は「何か深い訳があるのだろう」

というニュアンスの文言を織り込んでいます。

「深い訳」とはいったい何だったのか……、

なぜ国造りの半ばで少彦名神はいなくなったのか……、

個人的には非常に引っかかりを覚える部分です。

 

ちなみにその後、大物主神が大国主神に対し、

「自らの御魂を祀れ」と、半ば脅しとも

受け取れるような台詞を口にしたことから、

大国主神は自らの御魂の「半分」を

三輪山に祀ることに決めました。

 

三輪山という土地には、複雑怪奇な側面があり、

ここでは詳しく触れることは控えますが、

言えるのは、記紀の時代から中世にいたるまで、

三輪山の神が常に、時の権力者を

恫喝していたという事実です。

 

冷静に考えても、自らの御魂が目の前に現れ、

要求を突きつけるという流れも不自然ですし、

「出雲」近辺の地名を散りばめた出雲神話に、

突如奈良の三輪山が登場するのも不可解です。

果たして本当に、大国主神を恫喝したのは、

大国主神の和魂だったのでしょうか……。