花火の夜

例年の事であるが、
この過疎地にこんなに人間がいたのかと思う。
まだ明るいうちから凄い人出だ。

アナウンスが入った。

始まった。

もう少し風があるといいんだけどな。
煙が立ち込めて霞んでしまう。

ナイアガラと呼ばれる仕掛け花火だ。
半世紀以上も昔、私が物心つく頃から既にあった。

風が少し出てきた。

そろそろフィナーレ。

ああ、終わった。

帰ろうとしたら、
私の斜め横に高齢の女性が一人、地面に座って見ていたのか
よっこらしょと立ち上がった。
誰か連れの人はいないんだろうか。
一人で帰れるんだろうか。
綺麗でしたねと話しかけてみた。

「はい、来てよかった。
　私、関西から引っ越して来たばかりなので。」

大丈夫ですか、お気をつけてと声を言うと

「どうも、ありがとうございました」

と丁重にお辞儀して、一人帰って行った。
自分も人混みに紛れて歩き出す。
流れに沿って露店の焼き鳥の匂いを嗅ぎながらとろとろ歩いた。


今日が16日だからお盆も今日で終わりか。
盆踊りの歌は今年も全く聞こえない。

まだ引き摺っている

昨日ずっとPCに向かっていたためか目、肩、腰と首が痛い。
天気も悪くて寝起き悪い。
今夜は河川敷で花火大会の開催予定あるが大丈夫かな。

教会に着く頃には晴れた。

主日礼拝

黙祷
招詞　詩編66;1～4
讃美歌(21)　1　560
聖句暗唱　コロサイ3;15
子供のための紙芝居
詩編交読　詩編111:1～10
祈り
讃美歌(21)　521
聖書朗読　ヨハネ12;1～11
説教
讃美歌(21)　567
献金
祈り
頌栄　29
祝祷


礼拝の後、
午後から月一の会議が予定されており昼食あり。
教会のカレー、久しぶりだ。
じじの葬儀の時以来だ。

付け合わせに、とエンドウ豆が回ってきたので
欲張ってたくさん貰った。(笑
大鍋で作る教会のカレーはウマい。


・・・・・


会議が終わって15:00。
来月の行事予定と牧師先生が会議で不在の日があって
礼拝のメッセージを引き受ける事にした。
7月に終えたばかりだけど今から準備すれば間に合う。


せっかく暖かくていい天気だから歩いた。


じじの入院していた強制収容所同然の老人病院の前を通る。
3階の、ちょうどあの窓の下にじじは寝かされていた。
拘縮した手を縛られて。
毎日面会に行って同じ会話をした。

「調子どう」

「まあまあだ」

8か月同じIVHカテーテルを留置されっぱなしで高熱を出しても、
拘縮した手が一瞬動く事があるという理由で紐でベッド柵に縛られても、
正面仰臥位の口腔ケアで誤嚥した上に舌ブラシで上顎を損傷されても、
ろくに体位変換もされず仙骨に褥瘡が出来ていても
「調子どう」と私が尋ねるとじじは「まあまあだ」と答えた。
いつも。
通り過ぎながら、ついあの窓を凝視してしまう。


夕方出かけるので今のうちに何か食べよう。
道の途中のファミレスでサラダとイカの足を食べる。

　

車道も歩道も混んで来た。
皆、河川敷の方角目を指して進んでいる。


あれ、さっきまで晴れていたのに
みるみる雲が押し寄せて来た。

一旦帰宅。
寒くなってきたのでがっちり着込んだ。
これから河川敷に行く。
花火見に。