一時帰宅

半月ぶりに自分の部屋に戻ってきた。
いま何時だろう。
５時までに戻らなきゃ。焦る。

せっかく時間貰ったんだから
好きな歌を聴いて妄想に浸ろう。

♪Viderunt omnes fines terrae salutare Dei nostri:
　Jubilate Deo omnis terra.
　V.Notum fecit dominus salutare suum:
　ante conspectum gentium revelavit justitiam suam.

　地上のすべての国々は見た、われらが神の救いを。
　全地よ、神を賛美せよ。
　主はその救いを知らさしめ、
　その正義を神を信じぬ人々の面前に示された。
　　　　　　　　　(４声オルガヌム：ペロティヌス1198？)

たったこれだけの歌詞を
11分間もかけてゆっくりゆっくり歌っている。
1200年当時、石造りの薄暗い聖堂で
僧たちは歩きながら歌ったのだろうか。
声には一つ一つ色があって、
声と声とは合流し、石の壁に反響して
無数の色相を生み出している。
和音は高い天井に響き渡り、
彼らは残響を楽しみながらなおも歩き続ける。
高い石壁の亀裂から光が差し込んでくる。
光を辿るとどこまでも高く深い空の青。
白く膨らんだ雲が形を変えながら横切っていく。
歌声はどこまでも高く青く、昇っていく。


開け、私の耳。

ごあいさつ

こんにちは。
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