みちのくの山野草

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死蔵状態の澤里武治宛賢治書簡(2/28)

2018-03-03 08:00:00 | 賢治関連
《『みやもりホール』》(平成30年2月28日撮影)

 さて、遠野の宮守に来てフクジュソウの花も見れたし、桜カルビ丼も食べれたので十分満足した私が思い付いたのは、『みやもりホール』に立ち寄ることだった。
 以前の投稿〝「SL銀河ステーション」の澤里武治コーナー〟において、
《mm1》(平成30年2月28日撮影)

に「澤里武治コーナー」が新設されたことを報告した。そしてその最後に、
 その他の書簡等も含め、澤里家から寄贈されたものは『みやもりホール』において展示されている。
と私は付け加えておいた。

 では実際、このコーナー新設後に、その他の書簡等を見るために『みやもりホール』へやって来る来訪者は増えたのだろうかと思って、この2月28日に同ホールに立ち寄ってみたのだった。ところが、職員に伺ってみた結果は、
  たまにはあるが、その開設以降来訪者が増えたとは言えない。そもそもがほとんど来ない。
ということであった。

 実は、現在『宮澤賢治記念館』が所蔵している賢治書簡の現物はただ一通(最後の手紙となった柳原昌悦宛書簡)しかないという。一方、澤里武治宛賢治書簡は約17通ほどを『みやもりホール』(実際は『遠野博物館』が所蔵、展示場所が同ホール)が展示している。そこでこの件に関して、数年前に私はある正式な場において、澤里武治宛賢治書簡を遠野市から賢治記念館が借りて、多くの方々に見てもらうために展示展を開いてもらえないだろうかとお願いしたこともある。しかし、その動きは今のところなさそうだ。したがって、昭和3年9月23日付書簡(243)を始めとする澤里武治宛賢治書簡の多くの実態は死蔵されていると言っても過言ではない。極めて残念だし、勿体ないことだ。

 なお、澤里武治宛賢治書簡の内の一通、大正15年12月12日付だけが、現在行方不明になっているのだそうだ(かつては澤里武治が所有していたことは武治自身が証言しているのだが。しかもその存在も、その内容も一切知られていないものがである)。ついては、是非そのうちに同書簡が再発見されることを希う。

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