まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

覚悟はあるか?

2017年01月31日 | 日記

三人に一人がガンで死ぬ時代である。
医学の世界は日進月歩で
新しい治療法や薬も次々と開発されていると聞くが
ガンはやはり「死にいたる病」である。

何気なく新聞の健康欄を見ていたら見覚えがある顔が・・・
お笑いタレントの「だいたひかる」さんだ。
ちょっとシニカルな一人漫談で人気があったと記憶している。
最近、姿を見かけないなあと思っていたら
昨年1月、検診で乳がんが見つかり、手術・闘病中だったと言う。
乳がんは女性がかかるガンの中で一番多いらしい。
死につながる病気というだけでなく
女性として体の大切な部分を傷つけたり
失ったりする悲しみも覚悟しなければならないやっかいなガンだ。

  「告知を受けたときは確かにショックで
   テロリストに自分の体をハイジャックされたような気持ちでした」

そう語る彼女は、リンパ節転移のあるステージ2Bと診断され
医師と相談の上で右乳房の全摘を決断する。
抗がん剤の副作用による手足のしびれ、だるさだけでなく
リンパ節切除で一時、腕が上がりにくくなる不具合もあったそうだが
リハピリによって徐々に回復した来た。
ガンは大きなショックだったが
彼女の病気との「向き合い方」「悟り方」が素晴らしいと思う。

  「暴飲暴食など生活の不摂生がずっとひどかったんです。
   乱暴な運転をしてボディーを痛めつけたんだから
   メインテナンスの時期が早く来たんだと思います」

  「そもそも人間は死亡率100%ですよね。
   生まれることと死ぬことは決まっているけど長さも中身も違っています。
   だったらその間をいかに楽しく過ごすかを考えようと思いました。
   時間に限りにがあるかもと思った瞬間、集中力が出ました」

彼女の証言を読みながら
自分がガンを告知されたらどうなるだろうかと考えた。
死と向き合う覚悟はあるかと自問自答した。
風邪で熱が出ただけでもヒーヒーフーフーと大騒ぎする方だから
ショックで捨て鉢になったり、ジタバタと泣き叫んだり
とても静かに死を受け入れられそうにもない。

   「がん細胞だって体には侵入できるけど気持ちにまでは侵入できないでしょう。
    うわさに聞いていたガンが私のところにも訪ねてきちゃったけど
    全部は支配させないわよという気持ちです」

ガンに罹ったのは仕方がないが
自分の人生のシナリオはガンなんかに支配されないぞ!
そんな気迫がヒシヒシと伝わって来る。
うーん、偉いなあ、人間こうでなくちゃいけないなあ・・・
覚悟のないオジサンは
情けない思いで感心するばかりである。

 


ホームレスのオジサン

2017年01月30日 | 日記

春のような陽射しがこぼれる公園の休憩所。
自動販売機の横のスペースに
何やら荷物のようなものが積み上げられている。
通りすがりに見かけて「あ」と思った。

ホームレスの人の家財道具である。
しばらく姿を見なかったが再び舞い戻って来たのだろうか。
70歳前後の白髪頭のオジサンで
いつも自転車にこの大荷物を括りつけて移動している。
確か犬を連れていたような記憶が・・・
すっかり存在を忘れていたが
どうやら無事に生きていたようでホッとする思いがあった。

このオジサンがどんな氏素性の人で
どういう経緯を経てこの公園に住みついたのかは全く知らない。
言葉を交わしたことさえないのに
不思議な「親近感」を感じてしまうのは何故だろうか。
自分もいつ同じ境遇になるかも知れない・・・
そんな危機感というか共感がないまぜになった複雑な感情がある。
凍てつく真冬の夜、誰もいない公園で
ひとり寝袋にくるまって寝ているオジサンの姿を想像すると
痛ましいような気持ちになってしまう。

ホームレスは社会の底辺に生きる人たちである。
文字通り社会の底辺を支えて来た人たちである。
日本の土台をつくった人たちと言ってもいい。
それがいつしか社会から疎んじられ片隅に追いやられていく。
若者でさえ、ちょっとエアポケットに落ち込むと
ドンドン置いてきぼりを食ってしまう
息苦しい希望のない社会である。



意外にもと言ったら失礼だが
オジサンは結構、難しげな本を読んでいる。
どうやら図書館の廃棄図書を引き取って来たようだが
相当なインテリかも知れない。
ひょっとしたらかつてはビシッとスーツ姿を決めて
大手町や丸の内を闊歩するビジネスマンだったのかも知れない。
人の世の有為転変は仕方がないとしても
一度、ゆっくりと酒でも酌み交わして喋ってみたいと思う。

犬の散歩にでも行ったのか
それとも空き缶集めにでも出かてしまったのか
オジサンはなかなか帰って来なかった。


三寒四温

2017年01月29日 | 日記

昨日は汗ばむような陽気でしたねえ。
妙に暖かい日が続いたり、かと思うと急に氷点下になったり
寒暖差が激しいせいか鼻水がとまりません。
ひょっとして花粉症でしょうか。
空気が乾燥しているせいか肌がカサカサして痒いです。

公園では半袖シャツの若者もいました。
自転車の「曲乗り」で注目を浴びようとしていましたが
気の毒に誰も見ていませんでした。(笑)
オーイ、調子に乗って風邪をひいても知らねえぞ!
風邪と言えばインフルエンザ患者が160万人を超えたそうで
気をつけないと行けませんねえ。

昔から「三寒四温」と言われるように
こうやって寒い日と暖かい日を交互に繰り返しながら
少しずつ春になっていくのでしょうか。

   半袖の シャツや 三寒四温かな (杉作)

三寒四温は春先の言葉と思っていましたが
冬の季語でした。

 


南風

2017年01月28日 | 日記

午前中は寒かったのに
午後になると南風が吹き始めて
一気にポカポカと春の陽気になって来ました。
公園のコブシの蕾もふくらんでます。

昔から漁師さんは
南から吹く風を「はえ」と呼んで
天候が急変する兆しとして警戒したそうですね。
案の定、やわらかな南風はやがて強風に変わって大荒れでした。
東京湾岸の高速道路が通行止めになったりして
大変だったようですが
まさか「春一番」なんてことはないですよね?



そんな中で絵を描く人がいました。
いや、ついきっきまでいたのにトイレにでも行ったのでしょうか。
ベレー帽の上品なオジサンでした。
よく見ると竹製の筆立てといい水筒型の水差しといい
なかなかの「風流人」のようです。
ひょうたんに編み笠をかぶせたこの道具はなんでしょうか?
描いておられる絵もなかなかお上手です。
うーん、これはただ者ではない!
ひょっとして高名な画家の先生でしょうか。
でも、強風でイーゼルが何度も倒れそうになってハラハラ。
おーい、早く帰って来てくれ~!(笑)

南風の吹く日は心もざわつく日でした。
ガラにもなく来し方行く末に思いをはせる日でした。

   南風 吹いて人生 波高し (杉作)

うーん、どうしても川柳になってしまいますねえ・・・

 


悠々として急げ

2017年01月27日 | 日記

大空を切り裂いて
一直線にのびるヒコーキ雲。
地上はめずらしく穏やかな陽気でしたが
高度一万メートルの上空は氷点下の世界でしょうか。



空を飛んで急ぐ人もいれば
遅々として歩みがのろいオジサンもいます。
新しい年に入ってそろそろひと月が経とうと言うのに
あれもしたい、これもやりたいと思いつつ、何一つ出来ていません。
焦りばかりが増幅する日々です。
もともと怠惰ですぐ低きに流れる人間ではありますが
最近は何をするにも気力が伴いません。
人生もすでに後半戦に突入して
まさにこれからが「正念場」なのに困ったものです。

あの人の言葉を思い出しました。
生前、作家の開高健が好んで使った言葉です。
今は記念館となった茅ヶ崎の自宅の居間に貼ってあります。
なんと魅力的で奥の深いな言葉でしょうか。
「悠々」という言葉の大らかさと「急げ」という言葉の緊張感。
そのミスマッチが心地よい響きを奏でます。
実際、開高さんはその言葉通りに生きた人でした。
旅、釣り、食、酒、そして夢・・・
旺盛な好奇心と行動力で地球と時代を全力で駆け抜けました。
いささか生き急ぎ過ぎたきらいもありますが・・・

悠々として急げ。
バタバタと焦ってばかりの私にとって
もう一度、あらためて噛みしめたい言葉でしょうか。