まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

自然と人間

2019年02月28日 | 日記

自然と人間などと書くと
何やら小難しい論文のように思われますが
趣味の写真の話です。
先日、東京ミッドタウンに立ち寄ったついでに
とある写真展を覗きました。
その会場で一枚の写真に思わず引き込まれました。

寒々とした薄靄の中にたたずむ
一本の柿の木の写真です。
その枝先にはまだいくつかの柿の実が残っていて
吹き抜ける風の音や鳥の声がどこからか聴こえて来そうな一枚です。
福島県の北部、裏磐梯の山麓にある農村だそうです。
この「残り柿」の風景にはいつも惹かれます。

お馴染み「富士フィルム」のギャラリーです。
写真を趣味とする人なら一度は立ち寄ったこことがある筈です。
私も一応「写真家〈?〉」を自称していますから
ちょくちょく覗いています。
この日は日本有数の自然景観を誇る
裏磐梯の自然に惹かれわざわざ移住したという
風景写真家・黒原範雄さんの展覧会が開催中でした。
タイトルはズバリ「自然との邂逅」。

どの写真もなかなかの力作ばかりです。
わざわざ写真を撮るために移住するのは生半のことではありませんが
さすがにどっしりと腰を落ち着けた視点の写真がおおく
思わず見惚れるような作品ばかりです。
でも、私は「風景写真」というのはどうも苦手です。
ピントやら絞りやらいろいろ高度なテクニックを要求される写真ですし
どうせなら自然より「人間との邂逅」を撮りたいと思います。
この日も人間が登場する写真は一枚もありませんでした。

息をのむような美しい写真より
ちり芥にまみれた「人間臭い写真」を撮りたいと思っています。
まあ、人間も自然の一部という言い方も出来ますが
その目指すところは根本的に違うのでは・・・と思ったりします。
などと偉そうなことを言いながら
最近では撮る写真のほとんどがスマホになってしまって
情けない限りでありますねえ。

でも、対象に真正面から対峙し本質をえぐるという視点から言えば
結局は「風景」も「人間」も同じかもしれません。
今回の一連の作品の中にも
珠玉の風景を切り取りながらも風景だけにとどまらない
人間の本質に通じるようなドキリとする写真も何枚かありました。
でも、人間の本質ってなんだろ・・・
写真の本質ってなんだろ・・・
いろいろと思いを致しながら帰路につきました。



風ぬるむ水ぬるむ

2019年02月27日 | 日記

ここ一週間ほどで
空気が大きく入れ替わって来たような気がします。
肌寒い日があっても寒さに以前のような力がなくなって来たと言うのか。
まさに「風ぬるむ」季節で春近しを思わせます。
しかし三寒四温ですから油断禁物です。

通りかかった公園の池で
カモたちがこんなことをしていました。
今や毎年の恒例となった「カモの逆立ち」です。
風だけでなく「水ぬるむ」季節でもあるのでしょうか。
いろんなものがぬるんで来たせいか
寒さに耐えて来たわが膝の「半月板』もちょっとゆるんで来て
痛みが和らいできたような気がします。
ちなみに私は逆立ちが出来ません、
このまま逆立ちが出来ないまま死んでいくのでしょうか。

その池の中ではヒキガエルが活動中です。
水がぬるんで来たせいでモゾモゾとしきりに蠢いています。
ヒキガエルの気持ちはわかりませんが
やはり春近しを感じて嬉しいのかも知れませんねえ。
ハイ、私ももちろん嬉しいです。

  わが影も ゆれる池面や 水ぬるむ (杉作)

久々に一句ひねってみました。
水ぬるむは・・・確か春の季語ですが
この他にも「風光る」とか「山笑う」とか素敵な季語が多いですねえ。
私も寒がってばかりいないでヘタな俳句でも詠んで
そろそろ活動開始と行きますか。

 


新沼謙治「津軽恋女」

2019年02月26日 | 日記

東京に大雪が降ったのはいつだったか・・・
もうずいぶん前のことだ。
記憶をたどりながら古い写真を整理していたら
2012年の日付だとわかった。
もう7年も前のことだったのかと遠い目になってしまう。
そうそう、あの時は大変だった。

まさに東京豪雪だった。
交通網は完全にマヒして大混乱だった。
私はと言えば早々と原稿仕事を放擲し打ち合わせの予定を断り
朝から近所をやたらと歩き回ったものだ。
うれしくて仕方がなかった。
あの時の雪は凄かったなあとしみじみと思う。

昼休みにラジオを聴いていたら
新沼謙治の「津軽恋女」という歌が流れていた。
嫋々たる演歌でいつもなら「ウヘッ」などと拒否してしまうのに
なかなかいい歌で思わず聴き入ってしまった。
新沼謙治ってこんなに歌がうまかったかなあと思う。
確かバトミントンの選手と結婚した・・・

🎵津軽恋女【新沼謙治】御本人

 
歌もだが歌詞も気になった。
津軽には七つの雪が降るという歌だった。

 こな雪 つぶ雪 わた雪 ざらめ雪 みず雪 かた雪 春待つ氷雪・・・

日本でも有数の豪雪地帯だから
季節によって気温や自然条件によっていろいろな雪が降るのだろうか。
こな雪やわた雪はたまに都会でも見るけれど
ざらめ雪とはどんな雪なのだろう
かた雪とは、春間近かに降る氷雪とは・・・
ドンドン想像がふくらんでしまう。
なかなかいい歌で「名曲」と呼んでもいいだろう。

7年前に東京に降った豪雪は「なに雪」だったのだろうと思う。
今年も何度か雪がチラつく日もあったが
本格的に降ることはなかった。
雪国の人立ち上るの苦労を知りながらも


  ああ、あの日のような豪雪がまた見たかったなあ・・・

などと不謹慎に思う。
このまま春になってしまうのかと残念に思う。

 


象徴

2019年02月25日 | 日記

昨日は「天皇陛下在位30年」という
記念すべき日でした。
各テレビ局は「秘蔵映像」とやらをを用意して
記念式典の様子や天皇・皇后両陛下の来し方を振り返っていました。
それをチラッと見ただけなのですが・・・

つくづく「いいご夫婦だなあ」と思いましたねえ。
天皇陛下は日本国民の「象徴」ですが
若い頃はそのことにずいぶん思い悩まれた時期もあったようで
象徴とは何か、どのような象徴であるべきか・・
つねにご自分に問い続けて来た30年だったと言います。
そんな陛下にいつも寄り添い
励まし支えて来られた皇后さまの姿がとても印象的でした。
象徴という言葉を使うならこのお二人こそが
日本国民の「夫婦の象徴」と呼ぶべき存在ではないでしょうか。
まだまだ先のことだと思っていたのに
いつの間にか天皇陛下の退位の日も目前に迫って来ました。
象徴として生きられた30年は、波乱に満ちた歳月だったと言えます。
つい最近も韓国のバカな国会議長が
陛下を「戦犯の息子」などと呼んで謝罪を求めました。
盗人たけだけしい!などと
非礼極まりない言葉まで連ねて侮辱したそうです。
最早、あの国の発言は腹が立つのを通り越して呆れ果てるばかりですが
あえて反論するなら天皇は戦犯ではありません。
極東軍事裁判のどこを見てもそんなことは書いてありません。
ましてやその息子まで出すとは・・・
それこそ「歴史認識の大きな過ち」です。

そんな天皇陛下が皇位継承後
もっとも心を砕いて来られたのが沖縄の存在でした。
確か訪問は11回でしたか・・・
戦争中、唯一の地上戦の舞台となって多くの犠牲者を出した沖縄。
戦後も米軍基地の存在に塗炭の苦しみを味わって来た沖縄県民。
その沖縄県民の意思を示す
米軍基地の辺野古移設をめぐる注目の県民投票の結果は
反対7割という圧倒的な票数でした。
法的拘束力はないとは言いながらこの明確不動な県民の意思を
いかに傲慢な政府も無視することはできません。
もう沖縄に基地はいりません!
つねに沖縄県民の心に寄り添って来られた象徴天皇は
この声をどう思われたのでしょうか。

 


東京ミッドタウンの深呼吸

2019年02月24日 | 日記

東京ミッドタウンである。
たまにサントリー美術館に立ち寄るだけで
ほとんど縁がない場所だ。
超高級ホテルのリッツ・カールトンが入るビルでもあるが
こちらはますます縁遠い。

だいたい六本木という土地柄が気に食わない。
ヒルズ族などという成金の連中が我がもの顔で闊歩しているし
やたらに外国人が多くて落ち着かない。
バーも喫茶店も洋服屋もスーパーも高級店ばかりで
金がいくらあっても足らない。
そもそも防衛省があることが気に食わない。
ヤボ用で寄っただけだからすぐにでも立ち去りたかったが・・・

敷地内を歩いていたら池があった。
ビルの間に水を引き入れて植栽を施しただけの
ずいぶんと貧相な池だが野鳥の声がうるさいぐらいに聴こえて来る。
スズメにヒヨドリにシジュウカラにムクドリ・・・
ツグミの姿も見えたしハクセキレイもピョンピョン跳ねていた。
こんなビルの谷間に餌場でもあるのだろうか。

池のほとりのピンクは紅梅だった。
我が家の公園ではまだ咲いていなかったが
日当たりがいいのか次々と蕾がほころんで咲き始めている。
無機質な鉄骨だらけのビル街だが
コンクリートで護岸を固めただけの人工池だが
こんなところにも確実に春の足音が聞こえ始めていることに
妙に感心してしまった。

紅梅の隣には寄り添うように白梅も咲いている。
背伸びをするといい匂いが漂ってくる。
弁当に缶ビールでも買ってきてここで梅見でもするか・・・
思わずそんな気になってしまった。

お婆ちゃんが池を見つめていた。
春が近づいて来た感慨を噛みしめているのだろうか。
嫁と折り合いが悪くて避難して来たのだろうか。
私もマネをして池のほとりにたたずんで
大きく深呼吸をしてみた。
この日はうらうらと陽炎が立ち上るような陽気で
大きく息を吸いこむと「日向くさい」懐かしい匂いがした。
深呼吸なんて久しぶりである。