五反田駅から東急池上線に乗車。
ガタゴトとローカル線の匂いがする電車に揺られ
戸越銀座から洗足駅までやって来た。
駅を降りると目の前が池だった。
天気快晴の土曜日。
池面を吹き抜ける秋の風が実に心地いい。
足を洗うと書いて「洗足池」。
あの日蓮上人が旅の途中で足を洗った池だそうだ。
池のほとりにはボート乗り場があって
週末のせいか大勢の人がボート遊びに興じている。
彼女とボートに乗ったのは確か中学生の夏休みだったような気がする。
過ぎ去りし青春に思いをはせて乗ってみようかとも思ったが
オジサンが一人でボートに乗ってみても
面白くもなんともないし時間もないので先を急ぐことにする。
洗足池は野鳥の宝庫らしい。
見覚えのある鳥の写真がたくさん飾られている。
昔はバードウォッチングに熱中した時期もあったのだが
自慢の双眼鏡もすっかり埃をかぶっている。
ふたたび電車に揺られてゴトゴト。
御嶽山駅を通過。
思わず「えー、木曽の御嶽山はナンジャラホイ~♪」などと
口ずさんでみたがあの御嶽山なのだろうか。
立ち上がって周囲を見回してみたが山らしきものはなかった。
大田区久が原は都内有数の高級住宅街と聞いたことがある。
慌てて降りてお屋敷街を探したが
それらしき建物はなく駅前のチェーン店ばかりだった。
そのかわりに温泉があった。
駅前温泉とはなかなかシャレオツではないか。
温泉好きの私は、一瞬、ひと風呂あびていこうかとも思ったが
オジサンが一人で風呂に入っても
面白くもなんともないので我慢することにした。
ふたたたび電車に揺られ池上駅で下車。
ちょっと早い昼飯でも食べようかと駅前をウロウロしていると
池上線の由来というか正体がやっとわかった。
なるほど、そうなんだ・・・
池上線の池上は「池上本門寺」のことだったんだ。
参拝客のために設けられた鉄道だろうか。
先ほどの「御嶽山」の駅名もおそらく御嶽信仰の名残だろうし
日蓮上人も絶大な人気を誇る宗教家だった。
という訳で私も池上本門寺へ。
いやあ、これがなかなか遠かった。
歩けども歩けども寺らしき杜は見えてこないし
足は疲れるし腹は減るしで途中で引き返そうかとも思ったほど。
歩くこと15分、いや20分はあっただろうか。
やっとの思いで山門の前に立った時には
もう精も魂も尽き果てていた。
ご本尊へと向かう石段を見上げると
くらくらと眩暈がしたのでこの時点で断念。
石段の下からはるか日蓮上人の遺徳をしのびながら
わが不信心を詫びたのであった。
山門前のソバ屋で崩れるように休憩。
新そばの「十割そば」を食べてようやく一心地ついたのであった。
本当を言えば冷たいビールでのどを潤したかったが
まだ仕事前なのでこれも断念。
ぶらり池上線の旅はこれにて終了となった。
ブログの枚数の割には中身がなくて申し訳ない。