まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

小米朝を見た!

2017年01月16日 | 日記

日曜日の早朝に
NHKで「演芸図鑑」という番組をやっている。
落語好きにはたまらない番組である。
各クールごとにナビゲーターは違うのだが
今年に入って林家こぶ平が
いや、九代目・林家正蔵が番組の進行役をつとめている。
何気なくチャンネルを合わせたら・・・
懐かしい顔が出ていた。

お馴染みの桂小米朝である。
と言っても関東の人にはお馴染みでないかも知れない。
人間国宝・桂米朝師匠の息子さんで
現在は桂米團治の名跡を継ぐ上方落語界のホープである。
いや、私より五つほど年下だからもうホープという年齢ではないが
私にとっては小米朝はやはり小米朝である。
もう十年以上も前のことだが大阪市の広報番組をご一緒して
一年ほど親しくお付き合いをした。
米朝師匠ゆずりの端正なマスクと爽やかな芸風が人気で
若手の落語界にもよく顔を出したものだった。
関学出身のボンボンでクラシック音楽やワインにも造詣が深く
とにかく育ちのよさが目立つ存在だったが
肝心の落語の方は残念ながらイマイチだったなあ・・・(笑)

久しぶりに見る小米朝は
話芸にぐっと幅が出て成長の跡が感じられた。
ちゃんと「落語家になって来た」と言ったら失礼だろうか。
芸に毒がないのは相変わらずだが
言葉の説得力やテンポ、間の取り方などに余裕が感じられて
学究肌だった米朝師匠の芸風に近づいて来た・・・
などと言うとちょっと言い過ぎだろうか?
この日の出し物も米朝師匠ゆかりの「茶漬間男」だったが
その一挙手一投足を見ていて
ますます親爺さんに似て来たなあと感慨があった。



この番組の司会であるこぶ平もそうだが
親が偉大であればあるほど
息子のプレッシャーは相当なものだろうと推察する。
小米朝自身も常に周囲から「人間国宝の息子」という目で見られて
ずいぶん反発も苦労もしたらしいが
いい意味で肩の力が抜けて親爺さんの芸を素直に受け入れる
そんな人間力が出て来たような気がする。
実力がありながらスポットが当たる機会が少ない上方落語界だが
人間国宝をこえる話芸で大いに頑張って欲しいものだ。
期待してるで小米朝!
いや、あらため五代目・米團治師匠!(笑)