まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

夜明け前

2017年07月31日 | 日記

団地の夜明け前です。
建物はまだシルエットの中ですが
空に浮かぶ雲が少しずつ赤みを帯びて来ました。



鳥のさえずりも
うるさい蝉の声もまだ聞こえて来ません。
昨夜は思いのほか涼しくてグッスリ煉たような気がします。
夜明け前の静寂とヒンヤリとした空気に
ちょっと生き返ったような気分になって来ますねえ。

夜明けと言えば・・・
島崎藤村に「夜明け前」という小説がありました。
まだ中学生だった私にはかなりの長編で
残念ながら最後まで読んだかどうかよく覚えていません。
木曽の山奥に生まれ育ったインテリの主人公が
明治という時代に翻弄されながら悲劇的な最期を遂げる話でした。
話は忘れましたが「木曽路はすべて山の中である」という
冒頭のフレーズだけは鮮烈に残っています。

久しぶりのスケッチです。
こんな時間に絵を描いたのは初めてかも知れません。
余分なものをすべて省いた
シルエットだけの絵なので30分で仕上がりました。
でも、なかなかいいなあと自画自賛。

そう言えば「遠い夜明け」という映画もありましたねえ。
リチャード・アッテンボローの名作で
私の大好きなデンゼル・ワシントンが主人公を演じていました。
アパルトヘイト政権下の南アフリカで
殺害された黒人解放活動家と新聞記者との交流を描いた
なかなかの力作だったと記憶しています。
夜明けという言葉には何かが始まる予感がありますが
閉塞感ただよういまの日本に
果たして新しい夜明けは来るのでしょうか。

さあ、今日からまた一週間が始まります。
蓄積疲労がぬけません。〈笑〉


わが良き友よ

2017年07月30日 | 日記

昨夜は「鮎」をいただきました。
今年初めての鮎です。
漁が解禁された鮎はまさに夏の味ですねえ。



数ある魚の中でも鮎は別格です。
清流ではぐくまれた身の清々しい香りはもちろんのこと
腸のほろ苦さもたまりません。
これほど「野趣」を感じる魚は他にありません。
思わず陶然としてしまいました。



鮎を肴に酒杯を重ねました。
これは佐賀県の「鍋島」という酒ですが
味と香りのバランスが絶妙で昨夜のんだ酒ではピカイチでした。
いま大人気の「十四代」という酒もいただきましたが
味より値段に悪酔いしそうになりました。(笑)



酒席の相手はわが良き友でした。
わが良き友は無類の「鮎好き」の友でもあります。
下駄こそ鳴らしていませんでしたが
革靴を雨でびしょ濡れにして池袋の居酒屋にやって来ました。
およそ一年ぶりの再会でしょうか。
テレビ局の偉いさんさんになってすでに現場を離れた彼ですが
昔はドキュメンタリーの制作で何度も一緒しました。
最も信頼する友の一人です。



彼の大好物の「鮎めし」を注文。
ごはんが炊けるまでの間、大いに語り合いました。
家族のこと、仕事の話、趣味の話題・・・
彼が本当は彫刻家になりたかったと聞いてビックリ。
その後、なぜか小津安二郎を熱く語り
返す刀で「寅さんシリーズ」のマドンナ話で盛り上がりました。
若い頃に何気なく観た映画でも
この年になって見直して初めてその意味が分かることがあって
それは本当にうれしいことだなあと
互いに痛感したものです。



待ってました「鮎めし」完成!
アユの塩焼きを丸ごとぶち込んで炊き上げた
まさしく野趣あふれる味です。
その間にも次から次へと全国各地の地酒が登場し
何杯飲んだか記憶にありません。



本当に楽しい夜でした。
別れ際、彼が手渡してくれた土産はなんと「鮎茶漬け」のもと!
うーん、トコトン鮎好きの友ですねえ(笑)
終電近い駅への地下道を
わが良き友はフラフラと千鳥足で帰って行きましたが
無事に帰れたのでしょうか。

 


幻の画家

2017年07月29日 | 日記

東京ステーションギャラリーです。
名前も聞いたことのない画家の展覧会にやって来ました。
その名も「不染鉄」と言います。
皆さんはそんな変な名前の画家知っていますか?

没後40年、東京で初めての展覧会。
不染鉄は「幻の画家」と呼ばれているそうです。
専門家や美術愛好家の間では実力を高く評価されながらも
画壇にはずっと背を向けたままで
奈良の田舎でコツコツと独自の画風を切り拓いて来ました。
展覧会のタイトルにもなっているこの富士山。
多くの画家が競って描いたありふれたモチーフですが
他とは全く違った常識外れの富士山です。
巨大な俯瞰図のようであり、また接近画のようでもあり
雲の彼方に日本海が見えるかと思えば
手前の駿河湾の海中には泳ぐ魚まで描きこまれてあって
一言で言えば「あり得ない」絵なんです。



会場でもこの絵の前に人だかりが出来ていました。
山海図絵〈伊豆の追憶〉は
国立近代美術館に所蔵されている代表作です。
絵のジャンルで言えば「細密画」に入るのでしょうが
そういう枠にはおさまりきらない絵です。
常識ではあり得ない構図で描きながら決して破綻することなく
バランスが取れている不思議な絵です。



いい顔をされていますねえ。
見るからに柔和なお爺ちゃんといった印象です。
もともとは東京・小石川の生まれですが
若い頃に写生履行に出かけた伊豆大島や式根島の暮しが気に入り
突然、漁師になって三年間を島で暮らしました。
かと思えば京都市立絵画専門学校〈現:京都市立芸術大学〉に入学し
その才能を認められて首席で卒業。
その後は帝展にもたびたび入選するなど注目を浴びましたが
戦後なぜか画壇を離れ
奈良の山里にこもって晩年まで飄々と作画を続けて来ました。
展覧会も没後20年の奈良県立美術館だけで
長い間、忘れられた画家でした。


不染の画風は大和絵の影響を強く受けた
南画風の作品が多く「この世のものとは思えない美しい絵を描きたい」が
口癖だったようですが、これなんかまさにそうですねえ。
生まれ故郷・小石川の円光寺にある樹齢1000年の大イチョウ。
根元に描きこまれた地蔵菩薩は子供たちの守り神とか。
地面が見えなくなるほどたくさんの落葉で覆い尽くされた光景は
まるで極楽浄土を思わせます。
一枚一枚の絵が本当に私好みの抒情にあふれていて
食い入るように見てしまいました。



で、思わず2800円の図録まで購入。
正直、手元不如意でまことに痛かったのですが
感動にはかえられません。(涙)
もとを取るためにせいぜい老後の楽しみにしたいと思います。
数多い作品の中で最も強烈な衝撃を受けたのは
京都国立近代美術館所蔵の「廃船」という一枚でしたが
それはぜひ会場でご覧ください!


アシガルユースは元気です!

2017年07月28日 | 日記

先日の私の誕生日。
息子から「Facebook 」にお祝いコメントが届きました。
ハイ、アシガルユースのベース担当
杉原草太です。
Facebook で繋がっているとは思いませんでした。



一緒に送って来たのがこの写真。
右端がそうですがちょっと太ったでしょうか。
顔がまんまるですねえ。〈笑〉
マッチョのツインボーカルも元気そうですねえ。
左端のゴリ風が新しくメンバーに加わったドラムスでしょうか。
真ん中の怪しげな美女は知りませんが・・・



この日は大阪高槻市の小学校でライプだったようです。
ぎょうさん集まっていますねえ。
これだけの集客力があればまだまだ大丈夫です!
やっぱり親のひいき目でしょうか。



普段のライブ活動も盛況のようです。
アシガルユースも去年で結成10周年を迎えたそうです。
メジャーデビューから5年。
まだ「関西のロックバンド」という枠を抜け出せませんが
これからが正念場かも知れませんねえ。
ただ、一つのことを10年続けられるということは
間違いなく一つの「才能」だと思うので頑張って欲しいものです。



ずいぶん長い間会っていませんが
子供の頃と少しも面影が変わっていませんねえ。
引っ込み思案で人一倍照れ屋だった彼が
まさかロックバンドとは・・・
そろそろ結婚してもいい年頃だと思いますが
そのへんはどうなっているのでしょう。
ま、別にいいのですが・・・〈笑〉


久しぶりにオフィシャルホームページを覗きましたが
すっかりリニユーアルされて
なかなかオシャレで洗練された印象でした。
このイラストはメンバーの特徴がよく出ていてGOODです!
右端の息子がとくにいいです!〈笑〉
皆様、これからもアシガルユースをどうぞご贔屓に
よろしくお願いします。

うーん、私も負けずに頑張らねば!

 


サルスベリもいいなあ

2017年07月27日 | 日記

サルスベリは私の嫌いな花です。
この花を見ると真夏の蒸し暑さがオーバーラップして
ウンザリしてしまうことがあります。
でも、最近はどういう心境の変化でしょうか・・・



サルスベリもいいなあ・・・
と思うようになってきたのはやはり年のせいかも知れません。
すべてが許せる心境になった来ました。〈笑〉
よく見ると花もなかなかキレイで風情を感じます。
サルスベリと書くと無機質ですが
なぜか「百日紅」という文字には不思議な郷愁を感じます。
七月頃から咲き始めて十月近くまで咲き続ける
とても息が長い花です。

  散れば咲き 散れば咲きして 百日紅 〈千代女〉

サルスベリという名前は
サルが木登りをしようとしても木肌がツルツルしていて
すべってしまうことが語源だそうです。
実際、サルスベリの幹は表皮がなんともすべらかで
撫でるとウットリする心待ちになります。
どこか女性の肌を触っているような・・・
変態でしょうか。〈笑〉



三年前に描いたサルスベリのスケッチです。
場所は東京・墨田区東向島。
漫画家の滝田ゆうさんがこよなく愛した
かつての「赤線」の名残りが色濃く感じられる露地です。
赤ん坊をあやしているお爺さんの姿が印象的で
日盛りで汗をダラダラ流しながら
熱中症寸前まで必死で描いたことを覚えていますねえ。
この時も古い民家の軒先に
サルスベリの花があざやかに燃えていました。

   炎天の 地上に花あり 百日紅 〈虚子〉

年を重ねると嫌いだったものが少しずつ好きになって来ます。
その心境の変化がちょっと嬉しいです、