団地の夜明け前です。
建物はまだシルエットの中ですが
空に浮かぶ雲が少しずつ赤みを帯びて来ました。
鳥のさえずりも
うるさい蝉の声もまだ聞こえて来ません。
昨夜は思いのほか涼しくてグッスリ煉たような気がします。
夜明け前の静寂とヒンヤリとした空気に
ちょっと生き返ったような気分になって来ますねえ。
夜明けと言えば・・・
島崎藤村に「夜明け前」という小説がありました。
まだ中学生だった私にはかなりの長編で
残念ながら最後まで読んだかどうかよく覚えていません。
木曽の山奥に生まれ育ったインテリの主人公が
明治という時代に翻弄されながら悲劇的な最期を遂げる話でした。
話は忘れましたが「木曽路はすべて山の中である」という
冒頭のフレーズだけは鮮烈に残っています。
久しぶりのスケッチです。
こんな時間に絵を描いたのは初めてかも知れません。
余分なものをすべて省いた
シルエットだけの絵なので30分で仕上がりました。
でも、なかなかいいなあと自画自賛。
そう言えば「遠い夜明け」という映画もありましたねえ。
リチャード・アッテンボローの名作で
私の大好きなデンゼル・ワシントンが主人公を演じていました。
アパルトヘイト政権下の南アフリカで
殺害された黒人解放活動家と新聞記者との交流を描いた
なかなかの力作だったと記憶しています。
夜明けという言葉には何かが始まる予感がありますが
閉塞感ただよういまの日本に
果たして新しい夜明けは来るのでしょうか。
さあ、今日からまた一週間が始まります。
蓄積疲労がぬけません。〈笑〉