地下鉄の車内広告である。
一瞬、何のコピーかと訝しんだが
クライアントが某大手結婚相談所とわかって
思わず笑ってしまった。
婚活中の男女でなくてもちょっとグサッと来るような
巧みな広告コピーではないか。
結婚できない人をゼロに。
この会社のキャッチフレーズらしい。
余計なお世話のような気もするが内実は深刻な問題である。
広告の写真が男性なのがミソで
女性の平均結婚年齢がドンドン上がっているのと同様に
ここ数年、結婚出来ない男性も急激に増えている。
実際、私の周囲にも４０代、５０代の独身男がゴロゴロいて
とくに欠陥がありそうにも見えないが
結婚したくてもチャンスがなくて不遇をかこっている。
誰もが切実に「出会いを」求めながらも
ズルズルと無為に年を重ね、今や諦めの心境というのが現実だ。
そうした人たちにとって結婚相談所は
ワラにもすがる思いの「福音」と言えるかも知れない。
で、何が言いたいかと言うと・・・
結局、結婚に限らず「このままだとこのまま」なのである。
人間は常に「低きに流れる」怠惰な動物で
余程の危機感がないと重い腰を上げることが出来ない。
現状維持が一番楽で苦労がいらないのである。
このままでは終わりたくないと勇気を奮って行動を起こさないと
現状打破は困難なのである。
オバマ大統領は「チェンジ」を掲げて颯爽と登場したが
結局、本当の意味での変革を実現できないまま
まもなく大統領の座から去る。
かく言う私も「このままでは駄目だ」と思いつつも
なかなか思い切った行動を起こせず
ともすれば「このまま以下」になりそうな危機感を覚える。
現状打破への道は遠いと言わざるを得ない。
ちなみにこの結婚相談所は
登録料が３万円、初期費用が９５０００円、月会費が１万６０００円
めでたく結婚出来たら成婚料が５万円。
現状打破にも金がかかるのである。