ケセラセラ

新型コロナの感染拡大が長引き
心の不調を訴える人が増えていると言う。
先行きが見えない不安がこれだけ続くとさもありなんと思う。
実際、ここ数年は減少傾向にあった自殺者が
今年に入って急増しているとも言う。

新聞紙面にも「コロナうつ」の文字が並ぶ。
なんでもかんでもコロナのせいにするのはどうかと思うし
因果関係もよくわからない現状ではあるが
相次ぐ芸能人の自殺もおそらく無縁ではないのではないか・・・
私もすでに高齢者の部類で基礎疾患も山ほどあって
当初はかなり神経質になっていたが
最近は「感染したらしたで仕方がない」と諦めの心境である。
いささか「コロナ疲れ」の状態で
思いきって開き直らないとなかなか前に進めない。

そんなときに亡き母の口癖を思い出す。
母はベージェット病という難病を患いながら
中途失明というハンディまで抱えた重度の障害者だった。
いわば不幸を絵に描いたような人生だったが
苦しいときは決まって「ケセラセラ」と朗らかに歌って
自分を励ますのが常だった。
確かドリス・デイが映画の中で歌っていた曲だと記憶するが
それは「なるようになるさ」というほどの意味である。

　　♪　ケセラセラ　なるようになる～

なんということもないシンプルな歌詞だが
実に含蓄の深い言葉である。

半沢直樹ブーム

ドラマ「半沢直樹」が大ブームらしい。
最終回の視聴率は軽く３０パーセント超えだそうで
今や国民的番組と言ってもいいかも知れない。
サラリーマンに大人気なのは分かるが
子供たちまでも「倍返しだ！」などと言っている。

私は一度もドラマを見たことがない。
評判は以前から知っているが見ようと思ったことすらない。
生来の天邪鬼でブームというものが大嫌いだし
歌舞伎役者が大見得を切るようなドサ芝居は肌に合わない。
すっかり流行に乗り遅れたオジサンではあるが
どうしてこんなに流行るのかは気になる。
これは主人公の半沢直樹が
自民党と思しき与党の幹事長と対峙する場面だが・・・

半沢が言っていることはいちいちごもっともである。

いまの自民党政治と重なるところ多々で
庶民の怒りや不満を代弁していると言ってもいい。
半沢直樹は当たらないと言われる経済ドラマであると同時に
勧善懲悪のわかりやすい「反体制ドラマ」である。
現状の政治の矛盾や不正をバッサバッサと斬りまくることで
視聴者は痛快なカタルシスを覚える。
それはわかるのだが・・・
どうして「半沢直樹」をこれだけ喜んでみる国民が
どうして嬉々として自民党に票を入れるのか？
これだけ自民党を支持するのか？
どう考えても謎なのである。

吾亦紅

コレ、なんて読むか知ってますか？
ちょっと植物に詳しい人ならよくご存じでしょうが
吾亦紅は「われもこう」と読みます。
赤紫のおダンゴのような丸い花穂が可愛らしいです。
今年もまた吾亦紅が咲く季節になりました。

十五夜のお月見の頃には
薄〈ススキ〉とともに欠かせない植物ですね。
吾亦紅には「われもこうなりたい」という意味があるそうです。
私にも常日頃から「こうなりたい」と思っている
尊敬する憧れの人が何人かいますが
生来の怠け者で自我ばかり強いせいか
そうなりたいとは思っても、なかなかそうなれません。
性格というものは、ホント難儀なものですね。

吾亦紅が咲き始めると
急速に秋が深まっていくような気がします。
私の好きな歌人・若山牧水もまた
吾亦紅が揺れる野辺を漂泊の思いとともに旅しました。

　　吾亦紅　すすきかるかや　秋草の

　　　　　さびしききはみ　君におくらむ　　〈牧水〉

女優の竹内結子さんが亡くなったそうです。
聞けば自殺という報道もあって
好きな女優さんだっただけに少なからずショックで
なぜ？という思いにとらわれています。
コロナ禍という重苦しく目に見えない閉塞感の中で
最近は自死を走る人が増えている印象が・・・
私たちは知らず知らずとんでもない「絶望」の時代を
生きているのかも知れません。

ベーシックインカム

竹中平蔵がテレビで喋っていた。
ヘイゾーと言えば小泉純一郎首相を騙して
日本に新自由主義とやらを導入させ
庶民の暮らしを徹底して破壊したＡ級戦犯である。
安倍首相を利用して非正規雇用を増大させた国賊でもある。

そのヘイゾーがまた何を言っているかと思えば・・・
持論の「ベーシックインカム」である。
ベーシックインカムとは政府がすべて国民に対して
最低限の生活に必要とされる現金を
毎月、定期的に支給する制度で欧米では前例もある。
いわば新たなセーフティネットで
国民全員に７万円を配るから
そのかわり「生活保護」も「年金」も廃止すると言う。
所得が多い人は後で返してもらって
これでマイナンバーと銀行口座をひも付きにするらしい。
一見もっともらしく聞こえるが
こいつのたわごとに騙されてはいけない。
今どき誰が月七万円で暮らせるのか！
出来るものならお前がやってみろ！と言いたい。
お前のおかげで非正規労働者がどれだけ泣いているか
本当に反省のない売国奴である。

秋雨前線

朝からずっと雨でした。
どうやら秋雨前線が停滞中のようです。
この間までの暑さがウソのように
妙に肌寒くて思わずジャケットを引っ張り出しました。
グズグズと鼻水が止まりません。

初秋の頃に降る長雨を「秋霖（しゅうりん）」と言うそうです。
なんとなく風情があっていい言葉ですねえ。
秋霖じゃ濡れて参ろうか・・・
な～んて洒落てみたくてもやっぱり寒いです。(笑)
大気が不安定とかで遠くで雷が聞こえます。
大気だけでなくて私の心も不安定で
どうも気分が晴れませんねえ。

そんな雨の中なのに・・・
キャーキャーと賑やかに騒ぐ声が聴こえます。
近所の女子中学生たちでしょうか。
何がそんなにおかしいのか・・・
箸が転んでもおかしい年頃ですから仕方ありません。
見るからに屈託のない笑い声で
屈託だらけのオジサンは眩しいような心持ちでした。
雨の日の笑い声はいいものです。