大空を切り裂いて
一直線にのびるヒコーキ雲。
地上はめずらしく穏やかな陽気でしたが
高度一万メートルの上空は氷点下の世界でしょうか。
空を飛んで急ぐ人もいれば
遅々として歩みがのろいオジサンもいます。
新しい年に入ってそろそろひと月が経とうと言うのに
あれもしたい、これもやりたいと思いつつ、何一つ出来ていません。
焦りばかりが増幅する日々です。
もともと怠惰ですぐ低きに流れる人間ではありますが
最近は何をするにも気力が伴いません。
人生もすでに後半戦に突入して
まさにこれからが「正念場」なのに困ったものです。
あの人の言葉を思い出しました。
生前、作家の開高健が好んで使った言葉です。
今は記念館となった茅ヶ崎の自宅の居間に貼ってあります。
なんと魅力的で奥の深いな言葉でしょうか。
「悠々」という言葉の大らかさと「急げ」という言葉の緊張感。
そのミスマッチが心地よい響きを奏でます。
実際、開高さんはその言葉通りに生きた人でした。
旅、釣り、食、酒、そして夢・・・
旺盛な好奇心と行動力で地球と時代を全力で駆け抜けました。
いささか生き急ぎ過ぎたきらいもありますが・・・
悠々として急げ。
バタバタと焦ってばかりの私にとって
もう一度、あらためて噛みしめたい言葉でしょうか。
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