まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

牧水の空

2018年11月30日 | 日記

お、一番星!
と思ったらよくよく見れば月でした。
晩秋の冴え冴えとした空と言いたいところですが
妙に生暖かい空でした。
今年は「木枯らし一番がまだ吹かない」などと
天気予報が嘆いていました。

泣きたくなるような薄暮の空です。
旅愁なんて言葉がついつい浮かんでくるような空です。
私の中の「旅心」が疼いて来ます。
昼間、ラジオで若山牧水の特集をやっていたせいでしょうか。
若山牧水は酒と旅をこよなく愛した漂泊の歌人です。
デラシネが服を着て歩いているような人で
石川啄木と並んで私が大好きな歌人の一人です。

  白鳥は 哀しからずや海の青 空のあをにも 染まずただよふ

  幾山河 越えさり行かば淋しさの 終てなむ国ぞ 今日も旅行く

とにかく酒が好きで一日一升を飲む酒豪だったと言います。
43歳の若さで亡くなった直接の死因は肝硬変。
夏の暑い盛りに亡くなったのに、死後しばらくたっても腐臭がせず
医者が「生きたままアルコール漬けになったのでは」と驚嘆したと言います。
情熱的な恋愛をしたことでも知られています。
妻の喜志子と知りあう前の
園田小夜子との熱烈な恋は文壇でも有名なエピソードです。

  黒髪の そのひとすぢのこひしさの 胸にながれて 尽きむともせず

  とこしへに けふのいのちの花やかさ かなしさを君 忘るるなかれ

「人は旅情と恋情と詩情に生きる」と言ったのは檀一雄ですが
まさにその言葉を体現するような一生でした。
私にもささやかな「旅情」と「恋情」と「詩情」はあって
酒も大好きだけれど、では牧水のように生きられるかと言うと
やはり「ため息」をつくしかありません。
せいぜい酒をしこたま飲んで酔いつぶれることぐらいでしょうか。

  人の世に たのしみ多し然れども 酒なしにして なにのたのしみ

b;to

帰って一杯やろうと思います。

 


反骨のコラムニスト

2018年11月29日 | 日記

帰りの電車の中で訃報を知った。
コラムニストとして活躍されていた勝谷誠彦さんが
57歳の若さで亡くなられたと言う。
友人でもあった評論家の宮崎哲弥氏の言葉を借りるなら
「限りなく自死に近い死」だったと言う。

数多くのテレビ番組に出演されていたが
この人の発言にはいつもハラハラドキドキさせられた。
勝谷はこの問題についてどう語るのか・・・
その裏にはつねに過激な発言を期待する心理もはたらいて
彼の一言一句に惹かれたものだった。
もともとは週刊文春の記者として現場のたたき上げだった。
数々の取材の修羅場を潜り抜けて来ただけに
発言の一つ一つに「度胸」と「覚悟」があったように思う。
近ごろのの毒にも薬にもならない
凡百のテレビコメンテーターとは根本的に違っていた。
このご面相だから時には悪ぶったり
あえて強がったりする面も多かったけれど
それも彼なりの自己演出で根は繊細な紳士だったと聞く。

とにかくフィールドの広い人だった。
筆は立つし、写真も撮るし、好奇心もすこぶる旺盛だった。
天才肌だが人知れぬ勉強家でもあったのだろう。
求められるまま中国を語り、韓国を語り、米国を語り
安倍政治を日本の官僚たちを斬って捨てた。
時には論が滑っての不規則発言もあったけれど
すぐに謝罪する率直さもあった。
大のももクロファンを自称していて〈彼はモノノフだった〉
テレビで共演した時のデレデレの可愛らしい笑顔が忘れられない。
通夜に駆けつけたももクロのメンバーが
しきりに「かっちゃんパパ」と呼んでいたのか印象的だった。
毀誉褒貶があって嫌いな人も多かったが
勝谷さんがいなくなるとテレビがまた寂しくなるなあと思う。
それにしても57歳は若すぎる。
あびるほど酒を飲んで本人は満足だったかも知れないが。



ホクシングジムの朝

2018年11月28日 | 日記

JR五反田駅のホームの真ん前に
ボクシングジムがある。
ワタナベポクシングジムという看板がかかっている。
その赤い文字がずっと気になって仕方がない。

私がホームに降り立つのは朝の7時過ぎだが
その頃にはもう窓辺に人影がうごめいていて活動中である。
ビルの他の階がまだ寝静まっている中
そこだけ活気が漲っていて思わず視線が行ってしまう。
縄跳びをする者。
パンチングボールを叩く者。
目を凝らすとシャドーボクシングをする者は
体にもう汗を光らせている。
ごくたまにだが女子選手を見かけることもある。
世界ランカーを何人も輩出している有名なジムらしいが
ボクシングジムの朝がこんなに早いとは・・・
それぞれ朝の練習を終えた後は
勤めやアルバイトに出かけて行くのだろうか。
夢に向かって走り続ける青春は美しい。
思わず「頑張れよ!」と声をかけたくなってしまう。
ついでに「俺も頑張るからな!」と呟く。


不義理

2018年11月27日 | 日記

そろそろ年賀状の季節である。
同時に喪中ハガキの季節でもある。
帰りの地下鉄の中で家人からLINEで連絡があり
Kさんの奥様から喪中ハガキが届いたと言う。
一瞬、茫然として声を失った。


雪原にすっくと立つ一本の冬木。その凛としたたたずまいが鮮烈なハガキだった。

そうかKさん亡くなったのか・・・
行年83歳、今年4月にすでに亡くなられていたと言う。
何の連絡もなくまったく知らなかった。
あちこちに不義理を重ねて来た報いだろうか。
大阪時代、一番お世話になったラジオディレクターだった。
なぜか私を気に入って下さって
さまざまな番組に起用して下さり個人的な付き合いも深かった。
テレビの世界に移られてからも
連続ドラマのメインライターにを強引に抜擢するなど
いささか身びいきとも思える入れ込みようで
周囲のやっかみを買ったこともある。
家人とも共通の友人で本当に親切にしてもらったと思う。
まだまだ未熟でも彼女の実力に期待し
これまたさまざまな番組に起用していただいた。

それほどお世話になった人なのに・・・
東京に出てからはほとんど年賀状だけの付き合いになった。
たまに仕事で大阪に行ったときに
一度か二度、食事を一緒にする機会はあったと思うが
ここ数年は没交渉に近い関係だった。
なんと恩知らずで不義理な人間であったことかと思う。
大阪時代に大病をされたことは知っていたが
ここ数年も病気療養中だったと言う。
ついこの間も家人と「Kさんどうしているのかなあ」と
噂話をしたばかりだった。
いま思えばそれが虫の知らせだったのだろうか。
ただただ感謝と後悔しかないのである。



秋深し・・・

2018年11月26日 | 日記

公園の紅葉もピークを過ぎて
秋深しを思わせます。
ここ数日、鼻水が止まらず風邪気味で
秋深しを思わせます。

懲りずにローアングルに挑戦してみました。
カサカサと風に舞う落ち葉に思わずブルッと来てしまいました。
天気はいいのに気温がなかなか上がりません。
たまの日曜日だから美術館にでも出かけたかったのですが
どうも人混みに出かける気力がありません。
絵を愉しむのもやはり体力と気力が要りますからねえ。
そんなんな日もあるさと
ひとりごちながらベッドの中でウツラウツラ・・・

競馬のジャパンカッップはアーモンドアイの圧勝でした。
またまたルメール君でしたねえ。
同じフランス人のゴーン君は窮地にありますが
この人の勢いは止まりませんねえ。
ウーン、走破タイムを見てまたまたビックリでした。
この馬の強さは本物かも知れませんねえ。
牝馬の常識を超えています。
ジャパンカップが終わると次は有馬記念ですか。
いよいよ一年も押し詰まって来て
秋深しです。