まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

遠花火

2018年08月13日 | 日記

晩酌でいい気持ちになっていると
遠くでドーンと花火の音。
今さら花火を見たところでどうなる訳でもなし。
などとブツブツ言いながらカメラを手にベランダに出てみた。

近くの豊島園あたりだろうか。
花火が上がって2、3秒するとドーンと来る。
子供の頃はその落差が楽しくて
息をひそめてワクワクしながら待ったものだった。
ベランダを吹き抜ける風が心地いい。
そろそろ夏も終わりの気配かな、などと思っってしまった。
とりわけ今年の暑さは尋常でなかっただけに
よけいにそう思うのかも知れない。
暑くても寒くても季節にはいつか終わりがあるものだが
こうして涼しい風に吹かれていると
いつになく寂寥感のようなものがこみあげて来る。

ふるさとの花火大会を思い出す。
私の郷里は島根県の出雲市である。
ヤマタノオロチ伝説で知られる「斐伊川」が町はずれを流れていて
毎年、お盆の頃には盛大な花火大会が催される。
一度だけその花火大会に母を連れて行ったことがあった。
母は盲人で花火は見えないのだが、
やはり心浮き立つものがあったのだろう。
「いまのは何色?」「これは大きいねえ!」「仕掛け花火でしょう」
などと私に聞きながら実に楽しそうだったのを憶えている。
その母が亡くなってもう何年だろうか。

   亡き母の 笑顔を思う 遠花火  (杉作)