まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

夏の墓碑銘

2018年08月09日 | 日記

俳優の津川雅彦さんが亡くなった。
役者としての実績は今さら言うまでもないが
そのクセのある独特の風貌と
ひょうきん且つシニカルな役どころが魅力だった。

津川さんと言えばどうしてもこのポスターを連想してしまう。
北朝鮮による拉致問題の啓蒙ポスターである。
ひと頃、駅のトイレなどに貼ってあるのをよく見かけた。
妻・朝丘雪路さんとの間に授かった長女を
幼い頃に誘拐された体験から
このポスターへの出演を引き受けられたと聞く。
その拉致問題は解決の糸口すらなく
妻の朝丘雪路さんも、先日、ご病気で亡くなられてしまった。
後を追うように・・・という表現は
津川さんには似合わないとは思うのだが落胆ぶりが痛ましかった。
その演技も重厚さにますます軽みが加わって
これからが楽しみだっただけに本当に残念でならない。

沖縄の翁長知事が急死された。
最近、急激に痩せられて心配していただに
やはりという思いだった。
米軍の普天間基地の辺野古移転をめぐっては
あらゆる手法を駆使し一貫して反対し続けて来られた。
まさに静かなる「反骨の人」だった。
戦後、本土の繁栄の陰で虐げられ続けて来た沖縄の歴史は
今さら述べるまでもないが、最近はとくにヒドイ。

「基地で食べているくせに文句を言うな!」
「政府の足を引っ張ってばかりの非国民!」

などと、ヘイトスピーチまがいの差別的言動が目立ってきた。
沖縄への理解が進んでいるどころか、逆に悪化しているのではないか。
それはとりもなおさず本土
つまりわれわれ日本国民そのものの意識ではないだろうか。
そうした無理解とねばり強く戦いながら
沖縄県民の「こころ」に寄り添い続けて来た人だけに
なにか光を失ったような思いになる。