まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

薫風と緑陰に憩ふ

2018年04月23日 | 日記

奥多摩に来ています。
東京都内は真夏日を記録する暑猛暑でしたが
こちらは暑からず寒からず
おまけに人も多からずで格好の行楽日和でした。

奥多摩渓谷を吹き抜ける風が何ともさわやかです。
薫風という言葉がありますが
新緑の木立を吹き渡る風はまさに風薫る初夏です。

川の瀬音が気持ちいいです。
セキレイがピーピーと啼きながら水べりを飛び回り
目を凝らすと何やら魚影〈鮎?〉も・・・
ここが多摩川の上流だとは思えぬ清冽さですねえ。
水の音を聞いているだけで体も心も癒されていくような気がします

奥多摩から列車に乗って御嶽駅へ戻り
目当ての玉堂美術館へ。
文化勲章受章の日本画家・河合玉堂は
晩年、奥多摩渓谷に自宅兼アトリエを構えて健筆をふるいました。
日本の風土をこよなく愛した玉堂は
ここ奥多摩に暮らす人間や動物たちの姿に慈愛をそそぎ
美しい墨線と彩色で描き続けました。
この季節ならではの「栃若葉」は傑作でした。

館内の日本庭園で休憩です。
生まれて間もないらしいウグイスが
ケキョ、ケキョ、ケキョと啼き声の練習をしていました。
ツバメといいウグイスといい
目にあざやかな若葉の芽吹きといい
奥多摩は新しい命が生まれる季節を迎えています。

昔の人は「緑陰に憩う」などと言いました。
お公家さんや貴族は都を離れて「余暇清遊」の旅を楽しみました。
公家でも貴族でもないオジサン庶民ですが
久しぶりの休暇に「よか、よか」と言いながら
清遊を心ゆくまで満喫しました。