まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

野中は遠くなりにけり

2018年04月21日 | 日記

週刊誌をパラパラめくっていたら・・・
祭壇の写真が目にとまった。
飾られている遺影は野中広務さんの写真だった。

野中さんが亡くなったのは今年1月である。
このブログでも記事にしたが
先日、京都市内のホテルで「お別れの会」が催されたらしい。
自民党の重鎮だった人らしく
広大な会場には3000人をこえる参列者が集まった。
政界の第一線を退いてずいぶん時が経つのに
これだけの人が集まるのはやはり野中さんの人柄なのだろう。
小沢一郎、森喜朗元総理、鈴木宗男・・・
トランプ大統領との会談を前にした安倍首相も駆けつけた。
森友・家計や文書改ざん問題で政界が大騒ぎの中
何を語るのかと報道陣も注目したらしいが
野中氏の業績を褒めたたえながら
結局、「日本を守り抜くという思いを強くしました」などと
いつもの主張で哀悼の辞を締めくくった。

晩年の野中さんは安倍首相への批判を強めていた。
集団的自衛権容認、憲法九条改正、米軍基地の辺野古移転・・・
反戦の立場からその政策を徹底して批判し続けた。

  政治家の最大の役割は戦争をしないことだ。

が揺るぎない信念だった。
何度もヘリの不時着を繰り返す米軍に対して
文句ひとつ言えない日本政府の弱腰をどう思っておられたのだろうか。
沖縄、差別、ハンセン病訴訟、従軍慰安婦・・・
野中さんが積極的に関わって来られた問題は数多くある。
何より「人の痛みを知る」政治家だったと思う。
齢92歳の大往生ではあったが
死んでも死に切れぬ思いのままで逝った生涯だったと思う。
早々にトンボ帰りした首相は
この人の「老いの一徹」をどう思ったのだろうか。

野中は遠くなりにけり・・・