鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

最終処分場設置に対する住民の思い

2022年07月27日 | 議会活動
令和4年7月27日(水)

 富士市では一般廃棄物と産業廃棄物を同時に受け入れる、第三セクターによる最終処分場があります。これまで使用している最終処分場が間もなく満杯を迎えることから、新たな設置が必要となりその候補地が示されました。
 今、その候補地を巡り周辺住民の皆さんから様々な意見が寄せられています。その件についての勉強会があり、出席してきました。

 最終処分場とは、家庭から出るごみやそれ以外から排出されるごみを焼却したり粉砕するなど、これを減容化といいますができるだけ体積を減らしたごみを埋め立てる施設です。
 私たちの生活や経済活動によるごみ処理であり、欠かすことはできません。市民生活全般に関わることなので、排出者である市民はその最終処理までを責任を負うことになります。
 一般ごみについては、今回の場合、市が関与することで税金を投入してごみの収集から最終処分までの工程が実施されていますので、ごみ集積所以降についてはどのように流れていくのか、多くの市民は知らないことも多く、結果として関心がないと言わざるを得ません。

 ごみを焼却する中間施設である焼却場や最終処分場は、市内のどこかに作らざるを得ませんが、その候補地となった住民が改めてその存在に驚き、自分たちの生活圏に与える影響を心配することになります。

 富士市では第三セクターによる最終処分場を平成9年頃から計画し、その設置場所は富士山麓に求めてきました。様々な候補地を検討した結果、人里離れた山間地が対象となりました。

 標高700mくらいと想定しますが、市民が住む平地から上部に位置し、しかも私たち市民の誇りは、富士山の恵である地下水であり、その水を飲み生活をし、企業活動も維持されています。
 特に市民の飲用水はほぼ100%が地下水ですから、この貴重な水瓶の水源に最終処分場を設置することは、安全性の面から市民感情として納得がいかないのは当然でしょう。

 しかし、施設がなければ市民生活も経済活動も立ち行かなくなり、市民と行政や施設運営の公社が議論を深め、当時の設置基準を大幅に上回る安全対策の導入や、設置場所に対する地震等の影響を回避するための位置確認、設置後の住民参加による浸出水検査や立ち入り検査などを経て、約20年間の運営を進めてきました。
 その間、問題も発生しましたが、その都度全てを住民に報告し公開することで、信頼関係は醸成してきましたが、処分場が一杯となって次の設置になると、同じ富士山麓になることが、住民感情として受け入れることができないのです。

 設置の前に住民と交わす「確認書」には、次回は山麓以外に設置することを求める文言が入っていてもそれが反故にされてきた経緯があり、設置の度に周辺住民だけがいやな思いを繰り返すだけでした。

 最初に触れましたが、市民全体から出るごみを受け止める施設であり、最終処分場についてのこれまでの歩や、水に対するこだわりや不安など、20年経っても周辺住民だけに押しつけられ、市民全体の問題として広がりを見せていない現状にやるせない気持ちで一杯です。私は以前より市や公社にも、そして市議会にも訴えてきたことで、それが実現できないことで問題がいつもゼロから議論しなければならない状況は、問題の本質を捉えていません。

 昨日の勉強会では、市側が議論する時間を十分にとらず、性急な進め方をすることについて住民の不満が爆発しており、これまで相互の信頼関係が醸成されてきただけに、それが失われると受け止めている住民に設置側はどう対処するのか、真摯な対応を求めたいと思います。
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