道端に咲いていたと4年前に取り上げたゴウダソウ:合田草(アブラナ科ギンセンソウ属)が(07年5月13日記事)、今年も同じところに生えて、そのままドライフラワーになっていました。
ヨーロッパ南部原産の越年草で、高さは70~90cm、4~5月上部で分枝した枝に4弁の紅紫色の十字形花を総状花序につけます。
おもしろいのは開花結実後つける径3㎝くらいの扁平な円形の鞘で、形が月(ルナ)に似ているというのでLunariaの属名があります。
果実は扁平な短角果で、ほぼ円形~楕円形、2枚の果皮の間に隔膜があり、隔膜と果皮の間に扁平で翼のある種子がはいっています。果実の先端の突起物は宿存する花柱です。
ゴウダソウは明治時代にフランスから種子を日本に輸入した合田清氏の名をとったものですが、果実の隔膜が銀色になることからsilver shilling(銀貨)、moon wart(月のいぼ?)の英名があり、日本でも銀扇草、大判草など、銀や貨幣にからめた別名があります。
斜陽に透かして見る果実は本当に小判のようで、なかでも6個の種子が行儀よく並んでいるのは真田の六文銭そっくりでした。