新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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ヤブツバキ:藪椿(春を代表する花木)

2006-03-08 07:04:53 | 植物観察1日1題
ヤブツバキ:藪椿(ツバキ科ツバキ属)が咲きはじめました。Camellia japonicaの学名のとおり、日本の春を代表する純国産の花木です。ツバキの名は厚くて艶のある葉を持つことから、艶葉木、厚葉木、強葉木が転じたともいわれ、代表的な暖温帯照葉樹です。2~4月に咲く花は紅色で直径5~6cmの杯状。花弁の基部とこれも筒状の雄蕊の下部がくっついていて散るときは一緒に抜け落ちます。
わが国では珍しい鳥媒花で、筒状の花弁と雄蕊、鳥の好む赤い色、鳥の重さに耐える丈夫な花弁、つかまりやすい少し下向きの花、鳥の消費エネルギーに見合うタップリの蜜など取揃えて鳥を呼んでいます。
木扁に春とかく椿の字は、いわゆる日本字で、中国で椿はセンダン科のチャンチンを指します。
牧野富太郎博士は、中国ではツバキを“山茶”と書き、サザンカは”茶梅“と書くので、サザンカを”山茶花“と書くのは誤りだと変にこだわっていますが、日本では日本の書き方があってもいいのではという気がします。
科学者で名随筆家の寺田寅彦の句に“落ちざまに 虻を伏せたる 椿かな”というのがあり、一見もっともらしいが本当にそんなことが起こり得るのかと、誰かが観察したそうです。結論は、地上で転がって伏せる可能性はあっても、伏せたままで落ちることはまずないということでした。高名な自然科学者でも、一句ひねるときは、観察ではなく頭で考えるということでしょうか。


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