新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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アブラチャン:油瀝青(昔は灯油をとった)

2006-04-09 06:58:21 | 植物観察1日1題
渓流沿いなど多い落葉低木で、どこもにでも見かける木ではありませんが、春先葉の出る前に淡黄色の小花を固めてつけるので、秋の黄褐色の実とともに、時期によりよく目立つ木でもあるのがアブラチャン:油瀝青(クスノキ科シロモジ属)です。
雌雄異株で、写真は黄色みが強く花の固まりが大きい雄花で、雌花は緑がかった黄色で大きさも少し小さくなっています。楕円形の葉は揉むと香気があります。
昔は秋に熟す果実から灯油をとったそうです。和名は、樹皮や果実に油が多くよく燃えるので油と瀝青(チャン)を合わせた名、あるいはアブラジシャから転じたものなどといわれます。
また幹が立たずに根元から株立ち状に枝が出るのでセンボンギ、ムラダチなどの別名もあります。
ところで、この瀝青(チャン)という言葉は子供のときよく聞いたように思うのですが、どんな使われ方をしていたのか思い出せません。広辞苑でひくと、「タールを蒸留して得る残滓、または油田地帯などに産出する黒い粘質の有機物で、これを塗った土器を瀝青塗りといって油が器に浸み込まないので灯油が長持ちする」とありますが、なかなかイメージが浮かんできません。ただ灯油をとったというアブラチャンの名と灯油の節約とがどこかでつながっているのかな、などと考えてしまいました。

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