満月に聴く音楽

宮本隆の音楽活動(エレクトリックベース、時弦プロダクションなど)及び、新譜批評のサイト

11/28 sun「更の宵」Sara no Yoi

2021-11-30 | 新規投稿
ライブ前日の夜に向井さんから新曲が送られてくる。恐れていた事だがこれは以前もあった。今回の<即興パフォーマンス>というイベントタイトルはここで無実化。聴くと何やらフォークソング調の曲。しかし練習する気にはなれず「キーだけ教えてください」と返信し寝る。当日、向井さん、お店のフォークギター持ってやる気満々。私だけを伴奏に指名し即席のギター弾き語りDUOの誕生となる。
ライブはOkahashi×松田、江崎×宮本の即興2組で始まり、個人的に江崎さんとのDUOは嬉しく、演奏も良かったと思う。そして問題の向井×宮本の弾き語りDUO。譜面もらうが、1曲目は殆どキーを押さえるだけに終始する平凡な演奏。これでは面白くないと思い、2曲目は
崩したような演奏をした。自分では満足感はなかったが、江崎さんから「すごくよかった」と言われホッとする。自分の演奏に夢中であまり曲を吟味できなかったが、向井さんの作る新曲は良かったと後で再認識する。次回はぜひ、シェシズでやって頂きたいと思う。
ライブは全体にまとまり感と意外性が両方あり、良いイベントだったと思う。松田氏のテープぐるぐる巻きパフォーマンス、Okahashi氏の的を得たアンビエント、江崎氏のトランペット、その他の小物を使用しての演奏とパフォーマンスの境界を行き来するような表現。向井さんは遂に一度も胡弓を演奏せず、内から湧き出るままにパフォーマンスを行った。自分のメイン楽器に手を触れないとうのは本当の意味でその場の空気感と自分の要請に従う即興の真髄なのか。ギター持って弾き語るという新たなスタイルの獲得ももしかしたら一回性の即興パフォーマンスだったのかもしれない。
 
11/28 sun「更の宵」Sara no Yoi
即興パフォーマンス Improvised Performance
 
向井千惠 MUKAI Chie [二胡er-hu, voice, dance]
Nobuhiro Okahashi [ambient]
宮本隆 MIYAMOTO Takashi [bass]
江崎將史 EZAKI Masafumi [performance]
松田博幸 MATSUDA Hiroyuki [performance]
open 17:30 / start 18:00
adv 2000yen / door 2300yen
@BIG APPLE, kobe
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アルタードステイツ  「BERLING」

2021-11-26 | 新規投稿

昨年のリリースに気が付かず、一昨日、ナスノさんから購入。フェイバリットなバンドだけに興味津々で聴く。いや、このエッジの効き方はもはや孤高。30年にも渡って刺激的であり続けるとは如何なることか。バンドによるImprovisedと内橋氏によるrecomposedがクレジットされた各トラックは連続的でありながら個別の顔を持つ特性を示し、即興演奏にポストプロダクションとして作曲されたギターのフレーズを加えることでレコーディング作品としての完成度を持った。以前の数々の作品に見られた潔いばかりの一発録音主義を脱し、結果、音響的効果と共に多層的な奥行き、前後感覚の強いトラックが並ぶ。実際、ギターに関しては即興演奏時にディレイ、ループも用いていると思われ、どの部分が多重録音によるものなのか判別が難しい程、絶妙な演奏、ミックスとなっている。ナスノ氏の微妙にファズが効くベースも美しく、静から動へダイナミックに移行する芳垣氏とのリズムコンビネーションは長年、培われた稀有のもの。

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11/28 sun 「更の宵」Sara no Yoi   即興パフォーマンス Improvised Performance

2021-11-25 | 新規投稿

「更の宵」Sara no Yoi 
 即興パフォーマンス Improvised Performance

向井千惠 MUKAI Chie [二胡er-hu, voice, dance]
Nobuhiro Okahashi [ambient]
宮本隆 MIYAMOTO Takashi [bass]
江崎將史 EZAKI Masafumi [performance]
松田博幸 MATSUDA Hiroyuki [performance]

open 17:30 / start 18:00
adv 2000yen / door 2300yen

@BIG APPLE, kobe
神戸市中央区山本通3-14-14
トーアハイツB1
トアロード西側
三ノ宮駅、元町駅より13分
バス停「山本通3丁目」すぐ前
http://www.geocities.jp/kbigapple/
078-251-7049

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明日でございます。ナスノミツル、マジカル・パワーマコLIVE11/23

2021-11-22 | 新規投稿

ナスノミツル Sounds from Heavenly lights @ environment 0g(大阪、大阪)

11月 23 @ 5:00 PM – 9:30 PM ナスノミツル Sounds from Heavenly lights @ environment 0g(大阪、大阪) -Sounds from Heavenly lights- open 17:00 start 18:00 charge 2500+ drink order act:

◍ナスノミツル solo (electric bass) ◍ マジカル・パワーマコ(g,vo) and L5BAND (宮本隆b+松元隆ds) with guest MakikoYY (key) ◍長野雅貴+ Kazuto Yokokura ◍ Kenji Tsuda (visual) @ environment 0g [ zero-gauge ] 大阪市西区南堀江3-6-1 西大阪ビルB1 https://nuthings.wordpress.com

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Archie Shepp「steam」

2021-11-16 | 新規投稿

アーチー・シェップを崇拝していた年上の女性サックス奏者。80年代、二十歳代の頃、東京で知り合い、たまに会うといつも真面目な話をした。ジャズ喫茶に入って音楽の話や時には政治や思想の話に熱が入る事もあった。彼女は暗かった。そう言う私も暗かったが、そのくせ、バブル真っ只中の世間の幸福感に同化したいという欲求が常にあった。彼女もいなかったし。対しそのサックス奏者はそんな浮かれた世相に背を向け自分を貫く態度があった。深夜、新宿のジャズ喫茶でいつものようにマジな話をした後、地上に出た時のけばけばしいネオンの眩しさに訳もなく絶望的になった事を記憶しており、それは漠然とした夢や喧噪、笑顔、楽しむ営為といったものを無理に遮るかのようなコントラストを描いていたと思う。彼女は今、どうしているのかな。アーチー・シェップが好きだと言う女性がそんなにいるとは思わない。シェップの80年代以降の‘軟化’を嘆き、「これからはデビッド・マレイ、オリバー・レイクしかいない」と‘宣言’する様はある意味、救いようがなかった。しかし、その生真面目さが懐かしい。

コルトレーンばり疾走するフリージャズの「steam」は私のフェイバリットだが彼女の事を思い出してしまうレコードでもある。しかし90年代のバラッドアルバムの連発も今となっては好きになっている。それはエリントン・オーケストラを聴き始めた事がきっかけだった。私はエリントン・オーケストラの中にシェップを発見した。それはベン・ウェブスターという演奏家だった。シェップと音色が極めて似ている。シェップのルーツを見た気がした。フリージャズの闘士と言われたアーチー・シェップの基礎にブルース、バラッドがある事の確認だったと思う。いや、その晩年のアフリカ志向からも窺えるのはエリントン以来の広いブラックミュージックそのものの後継と伝播こそがシェップの生命線だった。

2021.11.15

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