マレットによるフロアタムの打音はもはや深くリバーブが効いたコントラバスの響きのようであり、そこに皮を打つ打音は無く、最低音の弦楽が拍を刻む幽玄の調べが流れているかのようであった。その意味で昨日の木村文彦氏はその繊細さを極地まで高めたと思われる。
打音曼荼羅と名づけたソロ演奏は楽器と客席を木村氏を中心に半円を描くように配置し、音の揺れを広角に感知出来る事を意図したものであろう。Common cafeという会場の特質を活かし切ったデッドな音の質感、分離感を堪能でき、混濁しない音の一つ一つの表情をはっきり捉える事が出来る稀なライブ体験だったと言えよう。しかも安易な反復の陶酔を避け、潔く場面転換する起承転結を実現させた事によって計らずもそのセレモニアルな空間を現前化させるに至る。木村氏の表現力に改めて脱帽するライブであった。
次回2.25は場所をzero gaugeに替えて、再びソロ、更には久しぶりの3Mirrors (with 石上加寿也+私)の演奏が予定されています。
2.25（sat）木村文彦「My Drum Music」Release Live
◍ 木村文彦 solo
◍ 3 Mirrors（石上加寿也+宮本隆+木村文彦）
◍ MILKLOTUS × 長野雅貴
@ environment 0g [ zero-gauge ]
open 18:30start 19:00charge 2000 (+drink order)
