満月に聴く音楽

宮本隆の音楽活動(エレクトリックベース、時弦プロダクションなど)及び、新譜批評のサイト

シチリア島出身のナイスガイなイタリアン、Ninni Morgiaと過ごした2日間は楽しい思い出になりそうです

2023-09-29 | 新規投稿
シチリア島出身のナイスガイなイタリアン、Ninni Morgiaと過ごした2日間は楽しい思い出になりそうです。土曜日はzero gaugeで複数人数で色々な組合せでセッション。最初の木村さんとNinniのduoで今晩のライブが良いものになる事を確信し、最後の全員(木村文彦percussion打ちもの、児島佐織thermin、庄子勝治sax.私bass)による演奏でも、間合いと応酬のインタープレイが実現できた実感がありました。
そして翌日、私はレンタカーでNinniを彼が宿泊するホテルに迎えに行き、その日の会場である京都ザックバランへ向います。今回、10日以上のツアーの割に随分小さめのバッグで現れ、しかもパンパンに重くなっている。毎日、何か頂いたり、買ったりするのでこうなってしまったと。いや、ツアー始まったばかりで、まだまだ増えるだろ。キャリーカート買った方が良いよとアドバイス。
車中で色んな話をしました。NYシーンへの愛着を語りブルックリンに住むプレイヤー生活が好きなよう。彼が私にくれた3つの音源も全て、その地で制作されたものです。他の国はどこで演奏するのかと尋ねると、ベルリン、UKを中心にヨーロッパあちこち行く。特にポルトガルは面白いと語ります。スペインは?バルセロナが好きだと。私は色んな所行く事が羨ましくなってしまいました。そして日本のアンダーグラウンドシーンにもかなり通じていて、阿部薫、高柳昌行、ラリーズといった昔年の演奏者の名が多く出てきます。ロンドンで不失者を観たと。何を通じてそれらを知ったのか訊くとFMPだと言うので、それはドイツのレーベルだろ。もしかしてPSF?と返すとthat's right! 確かに英字3文字のレーベル多いよねと。やはりPSFの発信力、海外への影響力は凄い事、再認識しました。
ザックバランでは出番トップ。伊藤誠saxターコさんdsと4人で演奏します。イベント主催者、倉田さん(倉田憲一氏)が設定してくれたユニットですが伊藤さんは私のバンド時弦旅団のメンバーでもありますし、セッションも何回も経験してますので勝手がわかってます。そして以前に何度かそのグルーヴィーな演奏を観ているターコさんとの演奏、以前から望んでいたので、個人的には楽しみでした。
サウンドチェックがオープン時間と重なり、お客さんがどんどん入られて来て、雰囲気的にボリューム抑えた少しモーダルな感じの音出しになり、まあいいかとリハーサル修了。
するとNinniが真顔でジャズは好きじゃない。インプロヴァイズがやりたいと訴えてきます。心配ない。ジャズはできないし、やらないよ。皆んな同じだと言って安心させました。伊藤さんとターコさんにもNinniがこう言ってると伝え、本番です。
今晩はレアなコクシネルのライブという事で客席は満席です。初めはやや、静か目に始めましたが、それも束の間、全体で走り出す展開に。カッコいいです。が、ほぼノンストップで走り切る演奏になってしまい、メリハリは無かったでしょう。
私も疲れてしまいました。Ninniはトホホという感じで私を見て苦笑い。察した私は会場が人で混雑してたのもあり、「ちょっと新鮮な空気、吸いに行こう」と彼を誘い、外をブラブラ歩きました。彼は最初、落胆して、色々、言ってました。昨日はビューティフル。今日はテリブルだと。しかし、じきに2人でもう笑い話になっていました。そして偶然見つけたラーメン屋に入り、辛くないメニュー確認して食べました。正直、あまり、美味しくなかったです。Ninniには訊かなかったけど、同じくじゃなかったかな。
会場に戻り、メインアクトであるコクシネルの演奏が始まります。満席で賑わう会場でNinniは一番後ろでポツンと一人で座ってました。
私は初めて観たコクシネルの演奏に惹き込まれました。東京に住んだ80年代、遂に一度もそのライブを体験せず、三角ジャケットのアナログ盤を友人宅で聴いたきりというのが、唯一のコクシネル体験です。眼の前のレジェンド。エレポップ、ニューウェイヴを昇華し、サイケ感覚やアンビエントを融合させた堅固な楽曲というイメージです。ショートストーリーな歌を次々と演奏しますが、一つ一つが味わい深く、軽くないんですね。物語性は濃厚です。しかも、歌うスタイルが丁寧でイマドキの巻き舌発声は一切ありません。good songが散りばめられたライブでした。
そして主催者である倉田さんが、ステージから挨拶し、コクシネルに謝辞を述べた後、「イタリアから来てくれたNinni Morgia !」と改めてお客さんに紹介し、お客さんが客席のNinniに拍手を送った事が彼は意外だったようで、驚いた表情を見せていました。それまで少し寂しそうにしていた彼がぱっと光が指したように明るい表情に変わりました。私は心の中で倉田さんに感謝しました。しかも、コクシネルの池田さんがステージ上から「最初の4人、すごく良かった!hi quality improvisation!」と叫んだのです。これは意外でした。えっホントに?と私はNinniと顔を見合わせ、思わず嬉しくなり微笑んでました。後で他の何人かのお客さんからも同様の言葉を頂き、色んな見方ある事も再認識。
片付けの時、池田さんと少し言葉を交わす事ができ、「あのギタリスト、音がピュアでクリア」と改めて言っており、先程、決して過剰に褒めたのではなかったのです。確かにNinniのギターは自然体だなと私も昨日から感じていました。いわゆるアヴァン派ギタリストの一人と認識されましょうが、ギミックがなく、弦の響きを大事に扱う意識を感じさせる演奏です。池田さんの見立てはそれを察知してのものだったと思いました。
幾分、気分も回復し、会場をあとにしてNinniの泊まるホテルへ彼を送り届けました。すると車中でまた真顔になり「俺は次の会場までどうやって行けばいい?」と訊いてきます。全てを手探り状態で過ごしていたのです。私はあれこれ返答し、ホテルのスタッフに訊く方かベターと言いました。こちらが思っている以上に日本での移動は不安なんだなと改めて思いました。たった一人で言葉も通じない国であちこち行く大変さ、改めてリスペクトです。
木曜日名古屋まで日があるけど観光とかするのか訊きましたが私の拙い英語が伝わらなかったようで、要領得ない返事に相槌をうつしかありませんでしたが、2日間、彼と同行し楽しかった。これは確かです。今日は何しているのかなと今、思っています。
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「Life is beautiful」Magical Power Mako L5BAND

2023-09-08 | 新規投稿

「Life is beautiful」Magical Power Mako L5BAND

時弦プロダクション制作。マジカルパワーマコ L5BAND 「Life is beautiful」(二枚組jigen024)11月10日発売予定。PR動画作りました。観てくださいませ。

 

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9.9 (sat) Song and Legend vol.1

2023-09-07 | 新規投稿

山本無二くん。主宰する’ロマン・ショー’という極めて京都ローカル色の強いイベントに棲息する天才ソングライターが動き出す。その歌声、楽曲を晒す時が来た。
対バンはイベント・トリの無礼人・残月あるす・あまとりあ。更にMILKLOTUS、岡野亜希子、nuee、 そしてタケヤリシュンタとどれをとっても聴き応え、見応え充分な一夜でしょう。
皆様のご来場、お待ちしております。
9.9 (sat) Song and Legend vol.1
◍無礼人・残月あるす・あまとりあ
(無礼人vo,g &奇島残月vo,g fromヰタセクスアリス )
◍ MILKLOTUS:vo 岡野亜紀子: dance  nuee: 映像
◍ タケヤリシュンタ;vo,g
◍ 無二&suddenly echo
(山本無二 vo,g 宮本隆b能登恵子ds)
@environment 0g zero gauge
open18:30 start19:00
charge2000yen + drink order
@environment 0g zero gauge大阪市西区南堀江3-6-1 西大阪ビルB1

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