満月に聴く音楽

宮本隆の音楽活動(エレクトリックベース、時弦プロダクションなど)及び、新譜批評のサイト

セッション大会。飛び入り参加OK,

2023-12-22 | 新規投稿

今年最後のライブ。

この日はお祭り。セッション大会。飛び入り参加OK,

12.29(fri)DANCE/MOVE 3

 
Edge Minami(sax) 2o2(guitar)宮本 隆(bass)高津吉則 (drums)
山田いづみ(dance)SEIJI(dance)BC.森脇彩弓(dance)
*飛び入り参加OK!
@ environment 0g [ zero-gauge ]
open 18:30/ start 19:00
2000en +1drink order
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スタティックで淡々とした内容のイベントも想定していた12.17【sonic counterpoint音響対位法】でしたが

2023-12-20 | 新規投稿

スタティックで淡々とした内容のイベントも想定していた12.17【sonic counterpoint音響対位法】でしたが良い意味で予想を裏切られる濃厚で高揚感溢れるイベントになりました。川崎義博氏はリハーサルの時、機材のチェックに悩まされておられ、音は断片的にしか発しません。大丈夫かなと少し心配にもなりましたが、そのまま、サウンドチェックを終わられ、本番に望みます。逆にまるで当イベントのコンセプトに合わせてもらったかのような実験的なリハーサルに集中していたのが磯端伸一氏(g)。江崎將史(tp) とのDUOは当然、お二人の微音を駆使した間の応酬による空間表現になると思いきや、全く想定外の実験音響になる事が判明。即ち磯端氏はトレードマークであるフルアコースティックではなく借り物のチープエレキギターに様々なアナログハンドメイド装置を連結し、ハーシュノイズを発し、江崎氏は「今日は爆音でいきます」と宣言。これはどうなることやら〜と怖さ半分、期待半分の余談を許さないパフォーマンスになる事、必至です。

 

出番トップはS-NOIこと古川正平くんと私のユニットであるZero Prizm。この日はいつものテクノビートを封印し、即興で室内楽的アプローチを試みました。これは成功。そしてラストのみ、いつも演奏する変則テクノトラック(a-3という曲)をハードに演奏。メリハリも作れたかなと納得しました。

2番手は石上加寿也live electronics、 北村 千絵   voice、Keruko dance/performanceの即席トリオ。即席でしかも簡単なサウンドチェックを済ませただけにも関わらず、その音の出し入れ、発声のタイミング、ダンス/パフォーマンスが全て図ったような一体感で進み、即興のストーリーテラーを演じます。石上氏のノイズ音響に時折、女性Voiceが混じり、北村さんのVoiceと重なりどっちがどっちの声か判明できなくなる瞬間があります。それもそのはず、実は石上氏は北村さんの声をリアルタイムでサンプリングし、変形させながらアウトプットしていたのです。この人工的なものとリアルな肉声にKerukoの身体動性が縦横に行き交い時折、Kerukoは北村さんの声に反応し、自らも発声パフォーマンスを繰り出しながら、完全な3者一体を実現していました。聴視覚的な完成度です。

 

お客様多数ご来場の中、見覚えある男性が来店。時を経ず江崎氏が「山㟁さんの飛び入り参加良いですか?」と。見覚えある男性はパーカッション奏者、山㟁直人氏でした。

急遽、山㟁氏を加え、磯端 伸一 、江崎 將史のトリオで演奏。最初、磯端氏が彼らしい微音ハーモニクスでイントロを奏で、江崎氏得意のトランペット解体新書とでも言うべきその物体対処奏法を繰り出します。即ち、床に転がすように音を出し、ポンプをホールに注入し、床に垂直にトランペットを置き吹いたり、ブロウせずにバルブを指で激しくカチャカチャ鳴らします。山㟁氏はスネアを座ってスネアを掲げ、擦れる音、擦る音、勿論、叩く音を様々なモノで演奏していきます。磯端氏はリハでチェックしたハンドメイド機器でエレクトリックの打音やハーシュノイズをタイミング良く繰り出します。この3人のオーケストレーションは日常音や生活の喧騒の描写に溢れたものになり、3人のパフォーマンス性も含め見事でした。

 

そしてラストに登場した川崎義博氏。石上氏にMCをお願いし川崎氏の紹介をして頂きました。そして川崎氏自らもフィールドレコーディングの体験その他を話し、演奏が始まります。サウンドチェック時のトラブルとは打って変わったリアルサウンドのめくるめく連続でした。明らかに普段聴く、ドローン、エレクトロ、ミニマルとも違います。

つまりフィールドレコーディングの自然音が

1つの旋律的な動性を伴い、聴覚を刺激します。エレクトロサウンドと自然音が混雑せず、重層的に連なるように進行し、耳の端々にそれらの音の欠片が触れていく感触は初めての聴体験。しかも音が頭の中を回るような感覚があり、3Dや複数のスピーカーを部屋の四方に設置してるかのような音像がありました。しかも私がポイントと感じたのはサウンドの根底に流れる通奏低音の存在だったと思います。川崎氏は演奏を始める時、「先に出た3組が自分のやりたい事を結構、やっていた」と語り、具体的には磯端氏の水を注ぎサンプリングする音等を指してると思いましたが、公演後、私に対し「ベースで重低音をしっかり出す人、なかなか居ない」と褒めていただき、その重要性を認めて頂いたのかなと思った次第。そして私は川崎氏の音響にベース音がしっかり存在していた事、告げました。

それが川崎サウンドの肝であったと思っています。

 

12.17 (sun)sonic counterpoint 音響対位法 

@ environment 0g [ zero-gauge ]

●川崎義博sound art / live electronics

●磯端 伸一 guitar 江崎 將史 trumpet

●石上加寿也live electronics 

北村 千絵voice Keruko  dance performance

●Zero Prizm(S-NOI / Takashi Miyamoto



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sonic confence3終了。@space  eauuu 神戸

2023-12-13 | 新規投稿

sonic confence3終了。@space  eauuu 神戸
出番トップのJuri Suzue+私は2回目のDUO。演奏始める時、チラホラだったお客さん、演奏終わって顔上げると一杯になってる事に気付く。私が普段、いかに下向いて演奏してるかが判明。シューゲイザーじゃないんだからね。このハコはベースアンプがないので、PAの音で逆にクリアな音質です。Juriさんの音もよく把握できるし、その安心感の元で演奏。出音が良いという個人的な課題かクリアされた事で安心してしまったか、ボリューム的にはやや、小さ目だった事は否めませんが、演奏自体はまあまあ、良かったと思いました。終わってからガンちゃん(professional audience岩石さん)がいたので「どうだった?」と訊くと「次の風景が見えへん」と一刀両断されるも、その"次の風景が見えない"というフレーズが気に入り、"これ、何かで使わせてもらお"と批判された悔しさがどっかへいってしまった。確かにもっと切り込んでいって良かったかなとも思い、やっばり男が引っ張っていかないとねいう旧習感覚に満ちた想いを自覚したのも事実。

10年振り位に観るTim Olive。テーブルに木片や音叉、金属の板、諸々、手工業の道具が並びます。ドローンサウンドを様々なアイテムにより、変形させますが、その流れは端正で美しいです。電子機器を使用しない電子音楽の稀なサンプルをこのアーティストに見ますが、やはり音色、音質の良さは極みですね。音叉を膝にポーンと打ち付けて反響させてから金属板に押し当てて演奏する場面も見た目含めた場面転換で面白かったです。ドローンの一定時間の中にある"次の風景が見えた"瞬間だったと。

近年のHacoさんはエレクトロニクスと歌曲の融合という一つの型を確立した感があります。一聴すると英-欧的なファンタジックモードと思われますが、そこに独自の私的な詩的感性があり、音階的にも西欧音楽と異なるフレージングを基底に感じます。それはAfter Dinnar時代の和風カンタベリーとでも言うべき起伏豊かで(素っ頓狂で)エキセントリックな
歌メロを奏でていたエレクトロニクス以前の楽器構成に依るものから一貫して継続するHacoさんの根底を成す"内面からの歌声"という濃い血のようなものとイメージします。日本でもアンビエントやファンタジーサウンド、壮大なシンフォニーを創作するアーティストは沢山いるでしょう。しかしその多くはアンビエントというイメージの外形を再生産する一ジャンルの制作のようにも感じ、英欧の人に新鮮に感じられるか疑問です。対しHacoさんのアルバムが海外で支持される理由にファンタジーの異化、Hacoさんの詩的内面への強度に因るものと感じます。つまり西欧側から感じられる違和感なのだろうと。その違和感こそが個性と解釈され、西欧人を惹きつける要素に違いないと思うのです。今回のライブで用意した映像も花々や舞い散る木の葉といったある意味、女性らしい美しさを前面に出してはいました。しかし、Hacoさんがウィスパーヴォイスで神秘的に歌うナンバーで森の中で左右に現れ、消える女児の映像を映し出した時の違和感と恐怖感は果たしてHacoさん、無意識の成せる業なのか。これも正しく
"次の風景が見えた"瞬間"でした。
ガンちゃん、ありがとね。

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本田素子plays electric piano ライブ終了。

2023-12-05 | 新規投稿
本田素子plays electric piano ライブ終了。初めて共演する本田さんのイメージを私はyou tube等で予習してましたが、良い意味で裏切られる事に。ジャズ、即興、現代音楽、エレクトロと幅広い演奏家である事は十分に承知しつつも、やはり映像と本物は違う。つまり、熱量に関する生の感覚はやはり一緒に対峙して初めて感じられるという至極、当然の結果に興奮する事に。本田さんは今回、エレピにI-PADを同期させる自身初の試みにトライ。しかも今回の出演メンバー同士に初顔合わせ多数という事もイベントそのものが実験色というか、やや、リスキーなセッションになる事が予想された。しかし、結果は個人的にはかなり、満足度の高いものになった。
セッションは本田、坂上、宮本で30分。本田、臼井、松元で30分。本田、臼井、宮本、松元で10分。全編を通じ、演奏に場面転換とダイナミクス、音の出入り、強弱の対比が計ったように表現され、本田さんのグルーヴ、切れ味は全体を牽引する場面も多かったと思う。お客さんの反応も上々。いや、自画自賛してますが、ホント、良かったです。
そしてセッションの中間に演奏したSonimageは個性の塊のような楽曲を披露。Sonimageは瑕疵のリーダー、マツシタカズオと津田謙二のユニット。メロディセンスの特異さ、あまり他で聴けない構成の楽曲はジャンルで言い表す事さえできません。このSonimageといいジャズユニットである瑕疵といい、彼の先端への触手とでもいうべきカラーはマツシタ氏の90年代から続く一貫した姿勢でもあります。
本田素子plays electric piano
with
坂上夏輝:sax臼井康浩:guitar
宮本 隆:bass松元 隆:drums, electric pad
And special performance
Sonimage
(Kenji Tsuda + Kazuo Matsushita )
@ environment 0g [ zero-gauge ]
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KillingJokeのギタリスト、ジョーディ逝去。

2023-12-04 | 新規投稿

先週、KillingJokeのギタリスト、ジョーディ逝去。64歳は早すぎる。リアルタイムで追いかけたバンドの中でもKillingJokeに特に思いれが強かったのはpunk〜newwave勢の中でギターサウンドの拡がりによるロックのパワー的外形が顕著だった事だ。PIL、DAFと共に直角ビート御三家を拝命していたが、KillingJokeにはスタイルの革新というnew waveに課せられた使命よりもロック本来の陶酔感を前面に出す無頓着さがあった。そこにold waveという敵対的比較対象に対するnew waveの優位性を確信でき、いわば同じ土俵に立てる音楽的外観があった。則ちKillingJokeの3rdと4thアルバムによって全てのハード・ロック/ヘヴィメタルは軽音楽になった(と思った)。
しかし私のフェイバリットは6th「Brighter Than a Thousand Suns」(1986年)だ。ジョーディのギターの残音が美しく、ボーカリスト、ジャズ・コールマンの歌い回しはもはや、old wave的な感情過多に溢れKillingJokeが大きな器のロック音楽に至ったと感じた。
私は当時、馴染めないサラリーマン生活の中、どこか鬱屈した心でこのレコードに熱狂していた。Brighter Than a Thousand Suns。
"千の太陽より眩しく輝く"とはどんな世界か。このアルバムに勇気をもらったかどうかは定かではない。ただ、その美しさに毎日、浸っていたと思う。

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