思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

森下典子『日日是好日』 日々の胃腸薬に良いね!

2020-10-02 11:06:47 | 日記
お茶を習った20数年で得た学びを、
20代の若かりし頃から40代になった現代に向かって
時系列でエッセイ風に振り返る内容。

季節の表現や、ちょっとした日常の気持ちの表現が
とてもうまいと思います。
読んでいると、自分も窓の外を眺めて、
一息つきたくなるような文章です。

掛け軸や茶器の銘などの洒落たうんちくも楽しい。
「不苦者有知」が「苦と思わざる者は、知有り」
または「フクワウチ」とか、知らなかった!&おもしろい!

「まんさく」の花が、一年の最初に「まず咲く」からというのも良い。
こういう季節の植物に詳しい大人になりたいものです。
と思って、早10数年、
季節感ゼロのガジュマルを枯らさず育てるだけでもギリギリです笑

和菓子の気が利いたネーミングや工夫も楽しい。
「福和内(ふくわうち)」「味噌松風」「越乃雪」。
「松風」は『まるまるの毬』でも出ましたが、
表面の焼き色や芥子の実の飾りに対して
裏側に模様が無い様が「うら寂しい」にかかっているとか。
「うらが無い」=「隠し事がない正直な様子」で
ポジティブに捉える考え方もあるようです。

銀座の空也(くうや)も出てきて、
私も予約必須のモナカをゲットするために
仕事を抜けて買いに行ったのを思い出しました。
ご進物用だったんですが、ちゃっかり自分用も買いましたもちろん。
会社のデスクで情緒ゼロでいただきましたが、おいしかった笑

日々と地続きだけど、普段は気に留めない諸々のこと、
改めて文字で読んで意識させてもらえるのは気持ちいいもんです。
ちょっと疲れたなあ、ちょっとネガティブになってるなあ、
というときに拾い読みすると、
すこし考え方を調整できる本だと思います。
日常生活を整える胃腸薬本。意外と大事だよなあ。
コメント
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