懈怠石

結晶系、屈折率:100、主要産地:東京近郊、つまりそういう日記

最近の読書メモ

2013-06-04 15:55:11 | Weblog
叙述トリックものを続けて読みました。

という観点で本を選んでいる辺り、
すでに楽しめない予感がぷんぷんしますね。
「叙述」って前提で読むだけで
かなりの確率でトリックがわかってしまいますから。

案の定というか自業自得ですが
私もだいたいのトリックは前半で予想がついてしまいました。
とほほ・・・(自業自得)。

とはいえ。
仕掛けに気づいてしまおうが、面白い小説は面白いし、
気づけなくてもダメな小説はダメ。
ということがよくわかった。
(個人的な意見です)

それと、作家の文章力って大きいな。と。
(以下ネタバレ!)







まず一冊目。
筒井康隆の「ロートレック荘事件」は
面白く読んだのですが、
文章のリズムとして主語が足りなかったり
人数の描写が欠けている部分が見受けられます。
この作家の文章力として、これは変だな、と
こりゃ、人数ごまかしてるな、と。
作品そのものの仕掛けではないところに
違和感があってムリが出ているんですね。
とはいえ面白かったですけど。

というわけで、叙述は、
初読の作家さんで楽しむのがいいのかなと考えました。



で、初読作家ベスト。
歌野晶午の「葉桜の季節にきみを想うということ」。
この作家さんの文章を読むのが初だったので、
ちと不自然な描写もこういうクセのある人かなと
軽く流して読めたのと。
とはいえなんとなく年齢ごまかしたい気持ちは
文章からひしひし伝わってくるんですが、
そう思って読んでもきちんと面白いこと。
むしろ設定がわかってから読むと、さらに面白い。
二度美味しいのでお得です。



で、ぶっちぎりワーストです。
安孫子武丸「殺戮にいたる病」ですよ。
不愉快に読んだのですが、
文章力もこんなものかなと思って読んだので
言葉づかいとか不自然なところも見受けられたのですが
全部スルー。結果、ミスリードそのままで読みました。
いやもうね、トリックを考える気力も萎えさせる
中二病トーク。
犯人がおっさんだろうが若者だろうが関係なく、痛い。
こういう文章を書く作者が痛い。
「殺戮にいたる」リアリティが無さ過ぎて泣けました。
もうね、犯人、誰でもいい。
というミステリーにおける新機軸。


以下、メモ。
貫井徳郎「慟哭」
これもイマイチですね。
ちょっと仕掛けがわかりやすすぎる。
「プリズム」のほうが楽しめます。

綾辻行人「十角館の殺人」
これは本格らしくて好きです。

道尾秀介「向日葵の咲かない夏」
堂々のワースト2。
こどものセリフがヘタすぎて
1ページ目で「ひっかけですよー」感が読者に伝わるという
残念な作品です。
「ラットマン」も悪くはないけど、ピカイチでもないから
叙述は向いてないんじゃないのかしら。
「カラスの親指」は良かったんですが。


と、好き勝手に書きすぎたので、反省。

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