思惟石

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武田泰淳『ニセ札つかいの手記』

2020-04-05 16:53:16 | 日記
武田泰淳(たけだたいじゅん)に関する私の脳内情報は、
「くまさん(仲の良い先輩)、武田百合子が好きだよなあ」
以上。
奥さんの情報しかない笑

そんな泰淳ですが、先日、『騎士団長殺し(2)』を
買おうと思って入った本屋で
(ハルキの品揃えが!!!ちょっと!!!)
ふと手に取ったものです。
まあ、ちょっとは興味があったのです笑

『ニセ札つかいの手記
武田泰淳異色短篇集』

中公文庫から2012年に刊行された短編集。
「異色短編集」と銘打っているだけあって、
ヘンテコな話しがセレクトされています。

ちょと、作風には、バラつきがありますね。
おもしろいのだけど、一冊としてのまとまりはないというか、
武田泰淳がどういう人なのか掴みにくいというか…。
他の有名作品を読んでから手に取るのが正解かと思います。
反省した。

収録作は、
『めがね』『「ゴジラ」の来る夜』『空間の犯罪』
『女の部屋』『白昼の通り魔』『誰を方舟に残すか』
『ニセ札つかいの手記』の7編。

個人的には表題作(源さんのこと好きすぎ!)と
『白昼の通り魔』がよかった!

前者は本物のお札が良いものなのか、
ニセ札こそが特別なのか、を真面目にぐるぐるぐるぐる
考えてしまうところが、よかった。
主人公のそういうところが、すごく魅力的です。

後者は大島渚の有名な映画「白昼の通り魔」の、
文字通り、原作らしい。
知らなかった〜。
編者であり映画評論家でもある高崎敏夫による
解説のエピソード(この映画をやろうと決心して、
仲間が直ちに本屋に走ったが、東京中で四冊しか見つからず云々)
も一読の価値あり、です。

他の5編も、それぞれ、ヘンテコで、おもしろくて、
武田泰淳の有名作品を読んでみたいと思いました。

しかし、ちょっと「ヘンテコ」具合が幅広すぎて、
イマイチ泰淳のことが掴めないんだよなあ。
そういう意味で武田泰淳の入門本ではないな。
反省した。
コメント
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