思惟石

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『水魑の如き沈むもの』

2021-07-14 16:51:07 | 日記
三津田信三『水魑の如き沈むもの』

<刀城言耶>シリーズの第5長編。
今回は関西(奈良)の山奥へ行きます。
今までの作品は奥多摩が多かったから、いいですね。

この山村の方言、なにかと語尾に「け」がつく。
「ごはんけ」は「ごはんですか?」でも「ごはんですよ」でも
使い分けできそうな、万能語尾。
威張り散らしてる神社のジジイも、
特攻崩れと村人に呼ばれている捻くれ者の若者も
「〜け」と言うだけでちょっとかわいい。

で。
肝心のお話しはですね、
湖を水源とする稲作で暮らす4村で
その水神様である水魑さまに増水・減水をお願いする儀式が軸。
呪いだったり言い伝えだったり怪異だったり殺人だったり。
お約束のフルコースが楽しめます。

おもしろかった。
終わり方も良かったと思う。
主人公の刀城言耶は相変わらず、
推理過程で「つまり犯人はあの人です!」が二転三転。
「結局誰じゃい!」感も安定していて、楽しめました。

個人的には、
水(に関わらず山も海も、なんらかの糧をもたらしてくれる場)
の神様は、「女性」というイメージがあって。
儀式での生贄って「生娘」が求められるものなのかな?
儀式前や狩猟前にやる「禊」って、女臭さを落とす意味もあるじゃないですか。
女神様に嫉妬されるから。
だったら生贄は若い男性がいいんじゃないか?
まあ、私だったら山海の珍味と酒樽が一番うれしいけど。
という感想も残った。

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