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『古代メソポタミア全史』 有名人が多い!

2024-05-17 15:56:13 | 日記
『古代メソポタミア全史
―シュメル、バビロニアからサーサーン朝ペルシアまで』
小林登志子

中公新書から2020年のコロナ真っ盛り期に出版された
メソポタミア全史。
作者の小林登志子先生は御年71歳にして
編集さんとも対面せずのリモート出版だったようです。
なんか、いろいろと、すごいな。

メソポタミアって、高校の授業で習うものの
「世界最古の文明」ってことしか印象ない…。

というわけで読んだら、新鮮なこともあるし
なんか聞いたことある〜ってこともある。
すごいよマサルさんの不思議生命体じゃなかったんだな、メソ!

紀元前8000年頃には天水農耕をしていたみたいですが、
紀元前3500年頃に成立したウルク文化期をもって
メソポタミア史は始まるそうです。
メインはシュメル人。
(昔、シュメル人が女子高生やってる漫画あったな…
 と思って検索したら『サディスティック19』という
 少女漫画でした。少女漫画…?)

『シュメル王朝史』に載っているけれど
実在を証明できない王様のひとりが、ギルガメシュ。
めちゃ有名なのに、実在したかどうか確定されていないのか。
有名なのは、後代の『ギルガメシュ叙事詩』のおかげ。
90年代深夜番組のおかげでもあるかもしれない。

メソポタミア史はざっくり、北部アッシリアと南部バビロニアの
並走したり併合したり分解したりの繰り返し。

古バビロニア時代の有名人はハンムラビ王(BC1792-1750)
『ハンムラビ法典』ですよね。
この頃、バビロン市の都市神マルドゥクがメソポタミアの
「偉大なる神々」の一員になったそうです。
あと、バビロニアが負けると王様の身柄と一緒に
マルドゥク神像も捕囚されがち。

新バビロニア王国時代だと、ネブカドネザル2世(BC604-562)。
古代ギリシアの旅人兼数学者フィロン(BC260-180)の記録にある
“バビロンの空中庭園”で有名らしい。
あと、聖書では先代が犯人にされているそうですが
ユダヤ人のバビロニア捕囚の人であり、
バベルの塔のモデルになる建築物をつくった人でもある。
おお!
ギルガメシュとは逆で、こちらはただの伝説だと思ってました!
史実なんだ〜!

あとはアッシリアのサルゴン2世(BC721-705)時代に
アナトリアのムシュキ王国ミタ王という人が登場。
これ、ギリシア神話でおなじみ「黄金の手」のミダス王と
言われている人だそうです。
有名人きた!!
(王様の耳はロバの耳でもある)

エサルハドン(BC680-669)は、日食・月食の際に
「身代わり王」「擬似王」を立てたという記録があるらしく、
小林先生は『金枝篇』に言及していました。
私が持っている『図説金枝篇』(編集されている)だと
バビロニアのマルドゥク神信仰での事例ばかりで
アッシリアの事例はなかったようだけど。
ファクト的には、『金枝篇』よりも2020年出版のこちらの方が
太いよなあと思っている。

いろいろと「あんたもメソポタミアか!」的な話があって
とてもおもしろい。
最後はアケメネス朝ペルシア帝国キュロス2世(BC559-530)が
新バビロニアを滅ぼして、メソポタミア史は終了!
そんなアケメネス朝を200年後に滅ぼすのがアレクサンドロス大王
また有名人がきた!!!

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