思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

『ハムネット』シェイクスピアの妻の物語

2022-10-27 16:24:19 | 日記
『ハムネット』
マギー・オファーレル
小竹由美子:訳

書籍紹介では
「シェイクスピアは、なぜ亡き息子の名を戯曲の題にしたのか?」
と書かれているのだけれど、
まさにこの一行を400ページの物語にしたような一冊。

シェイクスピアとその家族に関しては、
史実とされる資料が残っている部分は少ないみたいで、
よくこんなにたっぷり描けたなあ、と感心してしまった。
ちょっと『カラマーゾフの妹』を思い出すかな。

主人公はシェイクスピアの妻アグネス
(資料だとアン・ハサウェイと書かれることが多い)で、
彼女の視点とその周囲から描かれる。
シェイクスピアは「彼」「ラテン語教師」「ハムネットの父」といった
一枚挟んだ表現で、なにげに名前が出ないのも良い感じ。

17世期のイギリス郊外の暮らしってこんな感じだったのかな、
と思える風景風俗の描写がとても良かった。

しかし11歳の子供が死ぬ話を長々と読まされるのは、
意外としんどかったな。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【読書メモ】2016年10月 ② | トップ | 『繁栄』 うんちくコスパ高い本 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事