明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

名店の味を受け継いだ排骨担々麺 神保町『五ノ井』

2019年02月05日 | ラーメン、つけ麺など
今でこそ自由人(要するに無職)の私だが、かつては会社勤めをしていた時代もあった。
渋谷駅の南口歩道橋を渡った、桜丘町で働いていた頃、よく利用していたのが『亜寿加』というお店。
お店のウリは、四川風と称する「担々麺」と、豚肉の唐揚げ=排骨(パイクー)を併せた「排骨担々麺」。
下記写真は、最後に食べた数年前にガラケーで撮影した、排骨担々麺980円。


右上で光っているのは、サービスでついてくるご飯。排骨担々麺との相性の良さは、言うまでもない。
辛さ控えめなスープと細麺のおかげで、ボリューミーなのに意外とサッパリ食べられる逸品だった。
サラリーマン卒業(クビ?)後も、何年かに1度はわざわざ渋谷に足を運び、ここ亜寿加に立ち寄ったものだ。

さっき「最後に食べた」と書いたのは、亜寿加さんは昨年閉店してしまったから。
渋谷南口界隈は、再開発による立ち退き・廃業が相次いでおり、老舗の立ち飲み屋『富士家』も閉店した。
もう1度食べたかったなあ…と悔やんでいた私を救ったのが、今回紹介する神保町の『五ノ井』さんである。

屋号でもある店主の五ノ井氏は、長年亜寿加で働いており、昨年ついに自身のお店をオープンさせた。
まさか、ルーツであるお店が開店直後になくなるとは、思ってもいなかったことだろう。
お店の場所は、以前紹介した、超人気うどん店『丸香』と同じ通り。


写真の肉うどんを食べた帰り道に、『排骨担々 五ノ井』の看板を偶然発見し、入ってみることにしたのだ。
まずは券売機で、ビール中びんと「焼餃子」の食券を購入。ビールは客が冷蔵庫から出すセルフ方式だ。
ビール550円を飲みながら、卓上のメニューを見ていると、なにやら魅力的なセットがあるではないか。


ビール(小)が450円なのに、料理がついて500円とは! さっそく排骨単品とのセットを追加購入。
なお、中びんとのセットでも600円で応じてくれるため、最近の私は毎回これを頼んでいる。
待つこと数分、餃子400円が焼きあがった。


餃子の味は普通だったが、やはりビールとの相性はよく、すぐに中びんが空いた。
続いて2本目の小びんに移行した直後、待望の「単品排骨」(本来は400円)がやってきた。


豚肩ロースに味付けをして揚げた排骨は、外はカリっと中はジューシーで、ほんのりカレー風味がする。
さすが、亜寿加直伝のウマさ。ビールがすぐに飲み終わってしまった。
気分が良くなったので、デザートとしてお店のイチオシである、「排骨担々麺」1000円を追加オーダー。


「デザートに担々麺、さらに排骨をまた喰うのか!?」とあきれる方もいるだろうが、
吉野家で牛皿で一杯やって、シメに牛丼喰うようなモンだろ。カロリー摂取量は牛丼よりだいぶ多そうだが。
しかも、店主が「ご飯もお付けしますか?」なんて聞いてくれるもんだから、「お願いします」と即答。

※一応言い訳をしておくが、お茶椀は小さめ

修行先の亜寿加同様、こちらもご飯とザーサイ(亜寿加は高菜だったかな)が無料なのだ。
で、当然のように写真の排骨を乗せ、台湾でもおなじみの「パイクー飯」を作るワケよ。


担々麺って、スープにゴマとかが入っているから、ただでさえカロリーが高いのに、
麺、メシ、排骨ダブル、餃子にビール、その前には肉うどん…繰り返すけど、カロリー摂取量はだいぶ多そうだ。
もちろん、食事中はカロリーなんぞ気にせず、夢中で麺、米、肉と向かい合う。
店主独自の改良部分もあるのだろうが、以前私が食べていた、そして期待していた亜寿加の味だった。
さすがにスープは残したが(ほんの少し)、他はガッチリ完食し、満腹かつ大満足。
「美味しかったです、また来ます!」と告げて退店し、電車に乗ってから店に忘れ物をしたのを思い出し、
1時間後に再訪するハメに。実にマヌケな有言実行である
「昨夜はすみません」というお詫びも兼ね、翌日本当に再訪し、またまた酒と食事を楽しんだ。
店主にも顔を覚えてもらい、以降はちょくちょく通い、酒と食事を楽しんでいる。
以下で、これまで食べてきたメニューを紹介していく。

まずは「ちょっと一杯セット」の相棒である、「ちゃーしゅう」と「四川ワンタン」。




チャーシューは最近、軽く炙ってから提供されるようになり、香ばしさが加わった。
ワンタンにはピリ辛タレがかかっており、皮の歯応えと中身の具とのバランスもイイ。
メニューにある「ちゃーしゅう担々麺」や、醤油味の「ワンタンめん」も、きっと美味しいはず。
あるときは、ビールを飲んでいたら、店主から「よろしかったらこちらをどうぞ」と、
小皿に入った豚タンの冷製を、別の日には砂肝の冷製をサービスしてもらった。




まだ2~3回しか来てない(当時)のに、常連扱いしてもらっているみたいで、なんだか申し訳ないなあ…
と思いつつも喜びは隠せず、店主のご厚意に感謝し、シメの食事に入る前にもう1本ビールをお替り。
すると、私のあとに来てビールを注文した客にも、砂肝皿を提供していた。
どうやら、常連扱いだったのではなく、飲み客全員へのサービスだったらしい(苦笑)。
なお、これら「酒のアテ」は、店主の気まぐれサービスであり、毎回あるわけではないのでご注意を。

閉店した亜寿加には担々麺だけでなく、醤油ラーメンや味噌ラーメンもあり、
五ノ井さんでは「らーめん」はレギュラーメニュー、「みそらーめん」は冬季限定で登場。
こちらは「排骨みそ」1000円。塩分は控えめだけど、味噌のコクはしっり感じる。


こちらの麺類は、鶏ガラなどで取る透明な毛湯(まおたん)スープをベースにしているから、
どの商品も濃すぎずクドすぎず、老若男女に愛されるテイストに仕上がっている。
最近、担々麺を出す店が増えているけど、「シビレ」や「激辛」を強調した、万人受けしない商品が多い気がする。
私自身も、最近は激辛料理を食べると、翌朝ケツから火ぃ吹くので、なるべく控えるようにしている。
一応、五ノ井さんも無料でピリ辛、+100円で激辛もできるので、辛口マニアはそちらを選択してほしい。

亜寿加のメニューを受け継いだ五ノ井氏が開発したオリジナル商品、それが写真の「汁なし担々麺」850円だ。


見ての通り、他の麺類(写真下左)と比較すると、汁なしのはけっこう太い(写真下右)。
   

その太麺が、ピリ辛タレと具材のひき肉とよ~く絡むので、メチャクチャ美味しい。
この具材のひき肉は、肉燥(バーソー)といい、ご飯に乗せた肉燥飯(バーソーブン)は台湾ではメジャーな食べ物らしい。
魯肉飯(ルーローハン)とは違うんですか? と店主にたずねたところ、
「台湾北部では脂身の多い肉で作ったルーロー、南部では赤身主体の肉を用いたバーソーが食べられています」とのこと。
そういえば、さっき紹介した豚タンや砂肝などの内臓肉オツマミは、台湾料理店でよく見られる一品だ。
店主は台湾ほか中華料理にも精通しているらしく、お話しさせていただくと、なかなか勉強になるよ。
そんなある日、いつものように入店し、ビール中ビンと「ちゃーしゅう」とのセットをお願いし、
さらに、麺類のトッピングとして用意されている、バーソーをツマミとして頼んでみた。


上がその「バーソー単品」200円。本来はパクチーが乗るのだが、苦手だと告げたところ、メンマに替えてくれた。
汁なし担々麺でも食べてわかっていたのだが、肉だけを味わうと…うわあ、こりゃあウマすぎ!
濃い味付けだけど油っぽさはなく、個々のひき肉に旨味だけをギュギュっと凝縮したようなかんじ。
オーバーでなく、ビールが止まらなくなる、危険極まりないシロモノであった。
どのくらい危険かというと、最近めっきり酒が弱くなった私が、約45分間で中ビンを4本空けてしまったほど。


店主も「無理しないでくださいよ…」と心配してくれていたが、本当にスイスイ飲めちゃった。
ここのバーソーがあれば、酒はもちろん、白メシも止まらなくなりそうだ。瓶詰めにして売ってほしいよ。

担々麺も排骨も、そして各種おつまみもウマく、店主の腕も愛想もいい五ノ井さん。
近い将来、修行先の亜寿加さんと同様、人気店になるだろうし、亜寿加のオーナーもそれを望んでいるはずだ。
こちらの最寄り駅は地下鉄の神保町だが、JRなら水道橋か御茶ノ水。
先日御茶ノ水に向かって歩いてみたところ、どうやら水道橋より少しだけ近い(五ノ井店主もそうおっしゃってた)。
ただし、御茶ノ水ルートは、写真のような急階段をのぼらなくてはならない。※別のルートもあるが


危険なバーソーでビールをガバガバ飲んだ帰路だったため、本当に危険だったりして
これに懲りず、五ノ井さんでは今後もガンガン飲み喰いするぞ。



排骨担々 五ノ井
東京都千代田区神田猿楽町1-3-6
地下鉄神保町駅から徒歩約4分、JR御茶ノ水駅から徒歩約8分、水道橋からは徒歩約9分
営業時間 月~金11時~15時半、16時半~21時 土11時~17時
定休日 日、祝、年末年始ほか
※餃子は最近ないときもある
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今ごろになって振り返る、日... | トップ | 知識なし・根性なしシロウト... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ラーメン、つけ麺など」カテゴリの最新記事