某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

北朝鮮からの亡命者たち

2016-04-10 15:34:57 | つらい話
 ロイターの記事がアイリッシュタイムスに載っていた。北朝鮮の人々の南への亡命。一度に13人。北朝鮮のレストランがどこか他の国にあったらしい。そこで働く人々は、祖国への忠誠心の厚いいわば忠良な「臣民」から選ばれた人々で、店では音楽も演奏している。3月以来北朝鮮の核実験に対する国連の制裁のためにこうした朝鮮料理店から本国への送金が困難になり、ピョンヤンから厳しく送金を催促されているという。たまりかねて亡命したか?そうした料理店からの送金が年間1000万ドルにもなると言うから、かなりあちこちの国にあるのだろう。北朝鮮は外貨不足で困っているから。
 今度の亡命者達は、同じ店の従業員全員らしい。中国、カンボジアなどを経由して韓国に入り、人道的見地から受け入れたと韓国統一省が異例の発表をした。ただし、どこの国の料理店の従業員かは発表なし。韓国の受け入れた北朝鮮からの亡命者は3月までで29,000人。昨年は1,276人だという。亡命を失敗したら北で一生悲惨な生活に貶められるというのに、こりずに多くの人が亡命するのだから、一般庶民には(一部の階層は除いて)物心両面でひどく暮らしにくい国なのだろう。
 ダブリンにも、何年も前に朝鮮料理店が出来たが、さっぱり美味くないと悪評が高かった。日本には朝鮮料理店は無数にある。新大久保には朝鮮街まである。そのうちのどれかは北朝鮮系だろう。店構えだけでは分からないから困る。何か特別な目印でもないかな。そんな目印があったら日本人客は入らないだろうから、目印はないか。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

合唱は癌克服に効果てきめん、と。

2016-04-05 14:42:27 | 素晴らしい話
 今朝のアイリッシュタイムズに良い話があった。定期的に一時間合唱をすると、免疫システムが著しく向上し、癌克服に効果があると最近発見されたという。イギリスの癌研究所とロンドン王立音楽院の共同調査で最近報告された。癌患者や世話をする人々で作る合唱団など5 団体を継続調査して発見したという。
 合唱は鬱状態を改善する。これは治療を受ける際の患者の状態を非常に好転させる。これも治療効果を高めるらしい。また、ホルモンその他多くの内分泌物が良い状態になる事も確認されている。
 大きな声を出すと体にいい、とはよく言われている。教師は立ったままでおきな声をだすけど不健康な人もいるな。そういう人は、うるさい教室の担当にすると健康になるかも。
 何故合唱か、と思ったら気がついた。イギリスにはまだカラオケが殆どないから(ほんの少しある)、歌うためには合唱団に参加しなければならないのだ。大きな声で一時間以上歌えばいいわけだ。日本人はカラオケのお陰で合唱団に入らなくても大声で歌える。「カラオケで癌をやっつけよう」と宣伝したら今以上にカラオケがはやるだろう。皆が毎週一回はカラオケの日ときめて通うか、自宅に備えて毎日一時間大きな声を出すかするようになるだろう。そうなったら皆健康で、医療費の国庫負担は激減して政府は大喜びだろう。しかし、合唱は仲間がいるからいい、という事もあるだろう。カラオケも気の合う仲間を集めて二重唱三重唱を楽しめば、癌克服に効果覿面だろう。日本では「カラオケの癌克服効果」てな調査はやってないのかな。
 日本ではもう、二人に一人は癌患者になるらしい。これだけカラオケがはやっていてなお二人に一人だから、もしカラオケがなかったら全員癌で死ぬかも。あるいはカラオケは癌に全然効かないのか。
 日本のお医者さんもこういった事を外国並みに調べてほしいものだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カラヴァッジオ「キリストの捕縛」の数奇な運命

2016-04-02 14:55:11 | 忘れられた歴史



 先日のアイリッシュ・タイムス紙から。
 長く失われたと思われていたカラヴァッジオの名画「キリストの捕縛」Taking of Christ(1602年頃製作)が蘇ったのは1990年頃のことだった。これは、長い事ダブリンのジェズイット教団の食堂に、煤に汚れてかかっていた。ダブリン国立美術館にクリーニングと鑑定を依頼したら、カラヴァッジオの失われた名画だとわかった。あのときは大ニューズだった。暖炉の前の壁に長い事ぶら下がっていたから誰も真面目に見ない程薄汚れていたらしい。
 この絵は数奇な運命を辿った。元の所有者はリー・ウイルスン夫人(1971年没)。夫君はイギリス軍大尉でフランスで戦っていたが、復活祭蜂起~独立戦争の頃はダブリン警察に帰ってきていて、義勇軍兵士や共和主義者の捕虜を残酷に扱っていたという。そのためマイケル・コリンズの命令で暗殺された(1920年。)
 夫人はカトリックだが(そのためイギリス人でプロテスタントのリー・ウイルスン氏との結婚に大反対されたらしい)夫君の没後ダブリン大学トリニティ・カレッジに入学して医者になり、小児科医師として評判の名医になった。或る時スコットランドに旅行し、この絵を買った。当時は「キリストへの裏切り」Betrayal of Christというオランダ人画家ホントォスト(Honthorst 発音が分からない)というカラヴァッジオ風の絵を上手く書く画家の作品とされていた。いくら払ったかはわからないが、本物ではないと思われていたわけだから、たいして高くはなかったのだろう。夫人は、夫君の死に際して大変親切にしてくれたジェズイットの神父さんにこの絵を贈った。以来食堂に掲げられていた。カラヴァッジオの失われた名画とわかって大騒ぎになったのは夫人の死後20年以上たってからだった。
 ある日、私がダブリン国立美術館でこの絵を見ていたら、館員がスペインから来た中学生たちに絵の解説を始めた。捕えられているキリストの顔が二つある。一つは神の命に従う宗教者で神の子の顔。後ろで手を挙げて絶叫しているのは生身の人間キリストの絶望と嘆きをあらわにしたもの。このどちらもキリストそのものだ、と。カラヴァッジオは人間キリストも一緒に描く事で近代的なキリスト像を示していると。スペインの子供達は神妙にうなずいていた。こうやって彼等は自分の時代のキリスト教を理解してゆくのだな、と感じた。館員はまた「捕えている兵隊がちょっとおかしくないか」と聞いた。すかさず一人の子が「鎧がキリストの時代の物じゃない」と言った。鋭い。館員は喜んで「そうだ、この鎧はカラヴァッジオの時代のスペインの鎧だ。ローマは当時スペインに支配されていた。だから、カラヴァッジオは捕えられたキリストをスペインに支配されているローマとして描いているのだ」と。良いね。こうやって彼等は歴史を自分の物として学んでゆくのだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米寿の同期会ー下手な川柳

2016-04-02 11:10:14 | 楽しいひと時
 福島県立双葉中学(現高校)の同期会を銀座の三笠会館で催した。出席者10名。避難先の「いわき」から来てくれる友もいて、にぎやかだった。70年前の敗戦時には揃って3年生だったから皆かなりの爺さん(女子は何人かと後で若い友人に聞かれたが、当時中学は男だけだった。女学生は別の町に通っていて、こっちは通学列車―常磐線―の中で憧れてちらちら見るだけ。話かけたら、不良!と大騒ぎになった。)生存する同期生42名中10名が元気に出席したから、良い出席率だ。しかし常連のうち二人も奥さんの介護で出席できなくなった。奥さんの付き添いなしには出席できないのもいる。
 口は皆達者で話が終わらない。たまらず、勝手に司会役をやるやつが出て、「はい次!皆にしゃべらせろ!」とどなる。しゃべり手は素直に「はい、どうも」てなことを言いながらまたしゃべる。どうも賑やかな会だ。こんな同期会を、年二回やる。大震災の後、一年一度ではその間に死ぬ奴も出て「会っときゃよかった」と悔やむから、二回やれ、ということになった。
 そう言えば、あの大震災の年には、九段会館で靖国神社の櫻を見ながら同期会を催す予定になっていた。直前の大震災で、何と九段会館でも死者が出て休館になった。私達の会も秋に延期。幸い同期生に死傷者は出なかった(らしい)が、地元に住んでいた連中は皆知らぬ土地へ避難させられた。知らない土地で苦労したろう。老人性うつ病で入院させられた人もいる。発表される放射能の数値が如何に低く抑えられているか、を毎日自分で測った数値を示しながら力説する元教育委員もいる。私には彼らの辛さの10 分の一もわからないのが申し訳ない。
 来年は数え年でみな88歳。『米寿を迎えて』てな文集を作ろう、原稿書けよ、と提案したら「誰も読まないから紙の無駄だ」という。でも多分皆書くだろう。目立ちたがり屋だから。
 双葉町役場が「ご老人の同期会は珍しい、徘句や川柳をつくってください、広報に全部載せますから」と頼んできたという。選ばず何でも載せてくれるなら、と下手なのを作った。以下本邦初公開の拙句。下手すぎて広報には載せられないだろう。

 櫻(はな)開く 米寿のつどい 故郷(さと)の酒

 まだ続く 昔がたりの なつかしさ

 あだ名だけ 思い出せたる われらが師

 前田川 天王山 とわが校舎 (中学のすぐ南にある丘と川の名)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする