某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

房総の田植

2012-04-18 00:30:41 | ぼやき
 先日安房鴨川に泊まってきた。大雨だったが、翌日は快晴で暖かかった。友人の車でハーブ園に行った。第三日曜日だけ店がでると前もって調べてくれたのだ。まじめな人々が天然酵母のパンだの良い匂いの香料だのを売っていた。外に出ると、ハーブ栽培のビニール・ハウスの先に田圃が広がっていた。蛙が沢山鳴いていて、丘の方からは鶯の声も聞こえた。春うらら。
 代かきがもう終わっていて、田植を待つばかり。ひと組の中年?のご夫婦が田植をしていた。一番早い。細君はもと中学の英語の先生で、ご亭主は役場の職員だと言っていた(「あの男の人は息子さん?」と友人が間抜けなことを聞いた。「亭主ですよ」と細君はまんざらでもなさそうだった。怪我の功名か。)田圃は長方形にきちんと形が整っていて、田一枚三反歩。10数枚見えたから、数町歩の広さを目にしたわけだ。久しぶりの田園風景。田植用の作業車で見る見るうちに苗が等間隔に植えられてゆく。肥料も苗と一緒に埋められてゆく。私どもが田植をしたころは、中学生だったが、それでも腰が痛くて酷い辛さだった。おまけにいくらやっても終わらない。それに比べたら遥かに楽で、すごい早さだ。しかも肥料まで苗のところに施される。豊作間違いなしだろう。しかし、その車の価格360万円。いくら豊作でもとても返せないという。次の世代の者はもう、こんなに引き合わない仕事やりませんよ、と細君ぼやく。もと中学校の先生と役場の職員で、現役の米作りの言うことだから信憑性がある。本当としか思えない。ぞっとするような怖い話。
 私はスーパーで一番安いコメを買う。5キロ1,500円前後。もち米を入れて飯炊き用の土鍋で炊くから、これでもすこぶる美味い。500グラム150円。自販機で買うお茶500グラム150円。小売り価格で米とお茶、水が殆ど同じ値段。農家の手取りと比べたら、ペット・ボトル一杯の水が同じ量の米より高い。米が安いのは私などにとっては大変有難いけれど、それでいいのかね。農家はやっていけない。これで、TPPなんてことになったらどうなるのだろう。
 水が(お茶だって殆ど水の値段だ)米より高いってのは健全かね。そんなことを言う奴は経済が分からないのだ、と言われればそれまでだが。
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