某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

日本人は何故長命か。アイリッシュ・タイムズの解説記事

2015-04-17 01:56:15 | ちょっと良い話
 アイリッシュ・タイムズに日本女性長命の理由を解説する記事があった。What's the secret to the world's oldest woman's longevity? 退院したばかりだし、考えてもいなかった心不全などというおっかない診断をうけたばかりだから、気になって読んでしまった(入院前なら読まなかっただろうが。)2010年に日本には百万人あたり347人の百歳以上の老人(centenarians)がいたと言う。恐らく世界一なのだろう。
 ところで長寿の秘密とは何か。それは食事、平等性、全国民的な健康対策であり、換言すれば①バランスのとれた米主食の食事。②手ごろな価格の健康保険制度だという。具体的には、全面的な健康保険、幼児期のワクチン投与。さらに減塩運動。後者のお陰で、多発していた脳溢血や高血圧が激減した。
 TPP交渉で、多くは米など農産物や酪農製品の輸入を問題にしているが、実はそれ以上に、日本の国民健康保険制度が崩れかねないのだ。今私たちは国民健康保険の徴収額の高さを気にし、何とかしてほしい、と願っているが、今の日本の医療は医療技術の確かさ、医療機器の水準の高さ、保険による医療費の相対的安さ、などでかなり良い状態にある。海外で医者にかからねばならなくなった時の治療費の高さと比べれば日本はかなり安い(保険のおかげで)。色々批判はあり、不満もあるが。
 現在の日本の医療事情が長寿世界一を生む大きな要因の一つになっていることは確かだろう。後の本当に深刻な問題は、この長寿長命者達がどのような状態かだ。スイフトは『ガリバー旅行記』の中に「死なない遺伝子」を持たされてしまった人々のいる国を訪れる話を書いている。羨ましく思ったガリバーは彼等を訪ねようとする。前もってその事を知った老人たちは「俺たちを羨ましがって会いに来る物好きがいるそうだ」と呆れる。死ぬことも出来ず老残の身を持てあましている老人達には、ただ死ねないというだけの事に感激して会いにくるなどというのは馬鹿げた話でしかないのだ。
 
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