某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

ふくしまからのメッセージ=福島の高校生、凄い!

2012-08-25 01:44:39 | ぼやき
 福島県の高校生たちが作った構成劇「福島からのメッセージ」というDVDを、昨日ようやくいただけた。1年前にお願いしたが、まだ配布できるDVDがなかったらしい。これは、昨年の8月に福島で開催された第35回全国高等学校総合文化祭の綜合開会式で上演されたもので、昨年3月11日を境に地震、津波、原発事故と惨苦を嘗めつくした福島の高校生たちが、なお希望を失わず未来を歌い上げる骨太で力強い集団劇になっている。台詞も音楽(合唱)のかなりの部分も、大震災後僅か4ヶ月で作り上げられ、上演できるまでに練習を重ねられた。「あの長い台詞を一つもとちらずはっきり言えるとは」と物覚えの悪くなった私などひたすら感心するばかり。
 全国高校文化祭というのは全都道府県持ち回りで毎年開催される。だから47年に一度しか回ってこない。それが、選りにも選って、開催地福島を、大震災と原発爆発が、開催の僅か5ヵ月弱前に襲ったのだ。
 高校生たちは、勿論何年も前から準備を続けていた。各界各分野で偉大な足跡を残した福島の先人たちのエピソードを紡いだ心踊る物語をまとめ、前年のプレ開会式では上演もしていた。それが、3月11日で激変してしまった。「これほど破壊され放射能に汚染された福島では高校総合文化祭は開催出来ない」と思った人も沢山いたらしい。「偉大な先人の偉大な物語を今福島でやれるか、何の意味があるか」という苦悩もあっただろう。しかし、高校生の若い力は、僅か4ヶ月でそれとは全く別の、新しい構成の劇を作り上げた。それは、大震災後に、福島県内の高校生100名余から寄せられたメッセージに基づいた「ありのまま」の姿、考えたこと、感じていること等々が、舞台上の台詞、新しい合唱曲として生かされ、福島からのメッセージとして発信されるものになった。「私たち高校生が力をあわせ、希望と再生のメッセージを高らかに発信します。」とジャケットに記されている。
 準備の最初(数年前)から、レクイエムが予定されていたらしい。大震災を予知したわけではないのに、不思議なことだ。こちらはどうしても震災を思って聴いてしまうから、高校生の凄く美しい合唱を聴くだけで目から汗が出てしまう。昨日はまた特別暑かった。高校生のオーケストラも立派だった。指揮は先生らしかったが。独唱の女の子は上手だった。舞台では次々に「思いのたけ」がありのままに語られる。台詞が聴きとりやすくて感心した。「福島弁がないね」と残念がる人もいたが。震災の後茫然として歩く人々の姿は、まるで原爆投下後の広島をさまよう人々の姿のようだった。再会を喜ぶ姿、茫然と失意に沈む姿。私には空襲の後の人々の姿とダブって見えてしまった。私の住んでいた町―富岡―の様子を語る男の子もいた。私の通っていた中学(現高校)のことを語る男子もいた。
 此のDVDは昨日朝届いた。このところ8年くらい、毎月、ビデオを見る会をやっている。数名の仲間と、主にアイルランド映画を見る。しかしだんだん種が尽きてきて、今回は日本映画を見る予定でいた。それが、思いも掛けずこんな素晴らしいDVDがその日の朝に届くとは。お陰で昨日は映画二本立て。泣いたり笑ったり、とても良い勉強をした気分の一日だった。 
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