某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

『売春の社会史』 150年前の橋下批判

2013-05-20 15:11:19 | ぼやき
 大阪の橋下という市長が馬鹿なことを言った。ひどすぎるから、あんなのを選んだ大阪市民まで馬鹿にされるだろう、と市民が気の毒になった。これからは維新の会を支持する人も馬鹿にされるだろう。
 バーン&ボニー・ブーロー『売春の社会史』筑摩書房.という翻訳書がある。500ページ近い大著で、世界各地での問題解決の為の泥沼のような苦闘が読みやすく書かれている。その中に、19世紀半ばにイギリスで活躍したハリエット・マーティノーという女性の経済学者の文章が引用されている(当時大活躍した女性の経済学者が二人いて、アダム・スミスの娘たちと言われた。スミスは独身で子供はいなかったのだが)

「兵隊が同じ時代の労働者に比べて道徳観念が薄いとすれば、軍隊の道徳基準が外の世界より低いからにほかならない。では、この軍隊の道徳規準を、われわれがこれならよいと思うところまで引き上げるべきか、それとも兵隊の場合、買春は食物や衣服と同じように必要不可欠なものだと公然と認めて、いっそう堕落させてもいいというのか。この買春の必要性の認可こそ、すべての議論を左右し、取り返しのつかない結果をもたらしかねないきわめて重要な点である。いったんこれをみとめてしまえば、おそるべき悪徳の数々をも必要だとする意見が出てくるのは当然だろう。一度おおもとの悪の必要性が認められれば、誘惑、売春婦の斡旋、病気、売春統制等に抵抗するのは不可能である。」

 150年前の文章だから今からみれば大変抑制されているが、橋下とか石原とかが下品に肯定し合理化している自分たちの言い分をガチンと叩いている。

 
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