某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

好きな川柳・俳句、短歌。そして拙句。

2009-10-11 16:14:45 | ぼやき
 「秋深し隣は何をした人ぞ」宇野弘蔵(マルクス経済学者)。戦時中独房にぶち込まれていて浮かんだ句だと言う。これも一字が世界を変えた例に近い。
 「海に出て木枯らし帰るところなし」山口誓子。知った当初は、若くして散った特攻隊員を悼む句だと思った。中西進も「この一句で山口誓子は文化勲章に値する」と書いたことがある。作られたのが、実は、特攻攻撃より前だったと後日知ったが、知覧の記念館を訪れたときも、この句が一日中頭の中で鳴っていた。勿論「木枯らしの果てはありけり海の音」池西言水、も好きだ。
 「まっすぐに 素朴にいつも生きてきし 吾をみじめと思うことあり」片山広子(松村みね子)。芥川の最後の恋人とも言われる歌人でアイルランド演劇翻訳家の彼女がこんな歌を四十代に作っていた。与謝野晶子とは違う生き方。芯の強い人だったのだろう。
 長野の無言館(戦没画学生の遺作展示館)を先年訪れた。そこで作った拙句
「悲しくも若さ漲る無言館」「匂い立つ若さ悲しき学徒の絵」「くやしさのほとぼしる紅(あか)未完の絵」「いとしさを口紅(べに)にたくせし学徒の絵」
 名句・名歌の後に拙劣な句を並べて失礼いたしました。

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1 コメント

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短歌 (スマイル35)
2009-10-15 17:28:50
ぼやき先生の句も、色や感情の情景が浮かぶ良い句だと思います。
私は寺山修司にはまり、そこから短歌の世界の美しさを知りました。
ついでながら、寺山同様に短歌新人賞を受賞した私の知人の歌から一つ。
「夏の夜の川瀬の逢引 合言葉もちゃんと韻を踏んでいる」
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