某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

チェイサーと水割り

2012-11-14 01:10:31 | ぼやき
 1965~6年、ロンドン大学の寮に住んだ。最初驚いたのは地下階にバーがあり、寮生がバーテンをしていることだった。私もやらせてくれと言ったが、バーテンのライセンスを持っていないので駄目だった。
 ウイスキーを頼み、水もくれといったらびっくりされた。「何のためか」という。「ウイスキーと一緒に飲む」というと「何故そんなもったいないことをするか」ときた。「ではchaserには何を飲むんだ」「もし飲むならビールだ」ときた。うへ、余計酔っ払いそう、とびっくりした(昔はあまり酒を飲まなかったから。)「では水割りはどうだ」と聞くと「あんなもったいない飲み方をするのはアメリカ人だけだ」と馬鹿にしていた。後で念のために辞書をひいたら、Chaserの説明に「強い酒の後で飲む弱い酒」とあった。私は、チェイサーと言えば水だと思っていた。お恥ずかしい話。
 アイルランドで有名な映画に「ライアンの娘」というのがある。アイルランド西海岸の寒村の話で、始めの方に、若いイギリス人将校がパブでウイスキーを注文する場面がある。店番のアイルランド娘が「水は?」と聞き、水割りを作って差し出す。それを見たら「うへッ」となって、あとはどのシーンも嘘っぽく見えてしまった。1916年にアイルランドの寒村で水割りを出すわけがない。こんな間違いをするのは・・・と思ってみたら、監督はアメリカ人だった。それだけで、あの映画はだめ、と決めた。
 昔、「ブランディー、水で割ったらアメリカン」というTVコマーシャルがあった。そうだそうだ、と喜んでいたら、やがて「お煎餅割って日本だなァ」と浴衣を着たおじさんがしみじみ言うコマーシャルが流れるようになった。何の宣伝だかわからないが、今までで一番心に残るコマーシャルだった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 機銃掃射 | トップ | カクテル「かみかぜ」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ぼやき」カテゴリの最新記事