某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

続ロンドンの音楽会

2012-03-10 02:00:51 | ぼやき
 フェスティバル・ホールに良く行く、という話が大学の友人たち(LSEというところなので旧英領植民地からの留学生が多く、友人にはインド、マレー、シンガポール、セイロン、パキスタン、中国系など様々だった。ギリシャの美人もいた)にいつの間にか知れ渡った。クリスマス近くなった頃、こうした連中が、音楽会に行きたいと言い出した。それなら、と「初心者用」にチャイコフスキーのバレー「くるみ割り人形」に連れて行った。舞台から数列離れた良い席をまとめて買ったつもりだったが、行ってみると一番前の席。いつもならオーケストラが陣取る舞台でバレーをやるため、前の席が数列取り払われ、そこでオーケストラが演奏した。
 休憩になるまでは一番前に我慢して座っていた。しかし、数列後ろの席が一列そっくり空いていたので、休憩のときに、ドア・マンの紳士に「あそこに移ってよいか」と聞いた。ドア・マン氏は「私が良いとは言えない」と言いながらウインクした。やった!と喜んで我々10人ばかりは一斉にそこに移動した。やがてオーケストラの人々が戻ってきたのだが、バイオリンの若い楽団員がいきなり私たちの方におっかない顔をしてやってきた。ありゃ、席を変えたので叱られるか、と皆ドキドキした。ところが彼はバイオリンの代わりに傘を持っていた。ギリシャ美人が元の席に忘れてきた傘だった。彼女に傘を渡すと彼は澄ましてもどっていった。演奏中彼は目の前にいるギリシャ美人ばかり気にしていたのだろう。指揮者など見もしなかったのだろう、良く演奏出来たものだ、とあと後まで笑い話になった。
 中国人は、バレーの中の「中国人の踊り」に腹を立てていた。何故中国人をあんな道化にするんだ、と。
 開幕のシーンは印象的だった。舞台が紗の透けた幕で奥と手前に分けられてあり、奥では裕福な一家が暖かい部屋の中でクリスマスのごちそうを食べている。手前は道路で、惨めな女の子がマッチをすって少しでも温まろうとするがすぐ駄目になる。「くるみ割り人形」を「マッチ売りの少女」で始めていた。なるほど、と感心した。日本ではどんな演出をしているのだろうか。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 出た!2002点!申し訳ない。... | トップ | 命の恩人 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ぼやき」カテゴリの最新記事