某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

怖いTPP、国民皆保険制度の崩壊。

2014-06-08 13:41:43 | ぼやき
 集団的自衛権問題のおかげで、さっぱり聞こえてこなくなったのがTPP交渉の内容だ。内容を開示すると国民から文句噴出で不成立になるから、決まるまで伏せておくのだ。益々怖い。
 TPPは始め農業問題だけのように矮小化されて問題にされていた。しかし、それだけではなく、日本の医療、国民皆保険制度が崩壊する危険にさらされている。これはあまり表に出て来ていない。しかし、混合医療を推進するなど実質的には既にTPPに対応できるような「改革」が始められている。政府はもう危険きわまる成り行きを全部見通しているのだ。
 TPPには、よく知られていることだが、ISD条項というのがある。投資家が国家を相手にして訴訟を起こし、紛争の解決を図るもの。訴える先は投資家の国の裁判所。アメリカと他の国との間では既に行われている。あるアメリカの製薬会社がカナダ政府を相手どって、薬の特許を認めないのは不当だと訴え、1億ドルを請求して勝訴している。アメリカの裁判所が裁くのだから勝つにきまっている。日本は薬品の認定が遅い。それで訴えられる。「日本政府は薬品の輸入に非関税障壁を設けている、また、高額医療、高額薬を国民健康保険の対象からはずしている。そのためわが社は大変な損失を被っている」と、アメリカの製薬会社が損害賠償を申し立てる。当然勝つ。日本政府は困って無差別に高額医療、高額薬の利用、輸入を認め、すべてを保険の対象にする。保険の支出は天井知らずに増大する。健康保険の財源は枯渇し、国民は利用できなくなる。国民はアフラックなどの高額医療保険に入らなければ医者にかかれなくなる。既に日本で大活躍しているのは皆アメリカの保険会社だ。準備は全部出来ている。
 国民健康保険の破産を防ぐには、「安い」薬は保険で出し、「高いけれどもっとよく効く薬があります。保険は効かないのですが」とすすめる制度。つまり混合医療制度にするしかない(TPPに入れば)。それでも「高額薬を保険に入れないのは非関税障壁」と訴えられば負ける。結局、今のアメリカと同じく、低所得者は医者にかかれず、金持ちだけが病気を治せる、という社会になる。日本でも、金に不自由してない政治家や財界のボスたちは困らないが、大多数の国民は病気になったらお仕舞だ。
 今のアメリカは年収によって平均寿命に差が出る社会だが、日本もそうなるだろう。昔の政治家は「貧乏人は麦を食え」と言ったとされているが(これは「誤解」だったそうだ)、今の政治家は「貧乏人が早く死ぬ社会」を目指しているのだろう。何しろ、今一番元気で政府批判を繰り返しているのは貧乏な老人たちだから。
コメント
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