某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

映画「東京原発」

2013-08-07 16:19:21 | ぼやき
 凄い映画を見た。「東京原発」。2002年の映画だが、原子力発電の問題点を丁寧に示しており、また、現実におきた福島の原発事故とその後の経過を見事に予見している。十年も前の映画だから多くの方々が既に見ておられるのだろうが、私は今頃やっとDVDで見た。役所こうじと言う俳優が石原ばりのワンマン知事で、局長連中を集めた会議でいきなり「東京に原発をつくる!」と宣言する。完全に喜劇調だが、局長連中は大体が腰が引けておろおろ。大体が反対らしいことを言う。しかし、知事に「莫大な金が国から下り、さらに様々な波及効果が生まれるので都の財政は一気に好転する」「長距離送電の必要がないからロス無く、非常に効率が良くなる」「地方に原発を作るから、広大な敷地を発電所が独占し、海を汚して漁業を衰退させるなど環境を破壊している」「東京が地方を犠牲にして自分だけ電気を浪費していて良いのか」「東京でなら自然を破壊せず、生産=消費の発電が出来る」等々いいことずくめ。私は、局長の誰かに「そんなら皇居に原発を作ったらいい」とつぶやかせてくれないかと思った。
 学者の原発に関する解説も面白い。推進派ではなく、正確に情報を伝える人だった。話は、国と電力会社の情報隠しが都庁役人たちの会議と同時並行的にもう一つの筋として進行し、都内の一般道路を走るプルトニウム運搬トラックに反対派がしかけた爆破装置を阻止できるかどうか、という喜劇的スリラーになり、爆発物処理班は渋滞で間に合わず、NHKでの緊急放送も上層部が動かず不発、と危機管理能力ゼロが露呈される。終わりはどんでん返し。都知事の真意はどこにあるか?
 この映画は劇場ではあまり上映されなかったらしい。これから上映したらいい。
コメント
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