某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

予感

2012-11-06 15:26:58 | ぼやき
 家内の亡くなる前の年に、ちょっと変なことがあった。
 まだ59歳なのに、「還暦だから、皆で旅行しよう」と言い出した。伊豆の下田近くに良い家庭的なホテルがあって、そこに二人で行ったことがある。家内はそれがとても気に入っていて「私の還暦には家族中みんなでゆこう」ときめていた。だが、前の年に還暦祝いをするのは・・・とちょっと気になって、娘に相談した(家内に直接言うと怒りそうだから。)「還暦はもともと数え年でやるんだから良いんじゃない。今年は予行演習にして来年本祝いをやっても良いし」と素晴らしい答え。トンビが鷹を生んだというか、出藍の誉れというか(女にもこういうのかな)、親父(私)は鼻の下を伸ばして喜んだ。ジジ・ババ、親4人孫3人と全員そろって出かけた。
 ホテルでは素晴らしいフランス料理に満足し、芝生の東屋で涼みながら酒を楽しんだ。翌日は下田港のクルージング。孫たちはライブ・ジャケットを着てヨットから小ボートに乗り移り、洞窟などの探検までして大喜び。昼飯では、ひょこひょこ動くあじの生き作りが可哀そうだと婿さんが食べられないので、皆がからかって大喜び。楽しい2日間だった。
 翌年は本祝いだというのに、本番直前の3月15日に家内はあの世に行ってしまった。「あの還暦騒ぎは何だったのだろう。まさか、予感があったわけではないだろうに」と今でも不思議に思っている(そういえば、いきなりベーコン・エッグの作り方を教えてくれたのも変だ。)
 何故こんなことを思い出したのだろう。焼きが回ったかナ。仕事をしよう。山ほどあるから。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする