木畑洋一先生が成城大の来学期の「学びの森」セミナーで「グローバル・ヒストリー」の講義をなさるというので、先日その予告編のようなミニ講義を聴きに行った。お聴きして、思い出したことがある。
ニューヨークで9.11の大惨事が起きたとき、私はアイルランドのダブリンにいた。部屋に戻ってテレビをつけたら、首相のアハーン氏が深刻な顔で話していた。誰が亡くなったのだろう、と思ったら、旅客機が塔に突っ込む写真が出て、何だこりゃ、と度肝を抜かれた。
その数日後、ヨーロッパ全土で(アジア、日本などでどうだったかは知らない)追悼のミサ、礼拝が一斉に正午から行われた。アイルランド(英国も)は時差1時間なので、11時からになった。私もダブリンの仮大聖堂(仮しかない)の外の道路でミサに参加した。まず3分間の黙祷。キョロキョロあたりを見回していたら、右手の上から40歳くらいの女性が緊張した面持ちでプラカードを掲げて静々と歩いて来た。プラカードには英語で「真のテロリストは誰か。USA。グローバリゼイション」と三行で大書されていた。
黙祷中だから誰も手を出せない。警官も動けず、彼女が道路に立つ人々すべてにプラカードを見せ終わった頃黙祷が終わった。警官はすぐ彼女を抑えプラカードをもぎ取った。道路にいたのは大部分がアメリカ人観光客だから、盛んな拍手が沸いた。
ミサが終わって、中にいた大統領・首相・各国大使らが出てくる頃、アメリカ人の女性達が国歌を歌い出した。出てくる要人、高官たちは皆立ち止まって聞き入った。アメリカ人?の多くは涙を流しながら聞いていた。この人たちの前で、先ほどの女性は良くあれだけ勇敢なことが出来たものだ、と改めて感心した。己の信ずることを訴える強さに私は打たれた。
ニューヨークで9.11の大惨事が起きたとき、私はアイルランドのダブリンにいた。部屋に戻ってテレビをつけたら、首相のアハーン氏が深刻な顔で話していた。誰が亡くなったのだろう、と思ったら、旅客機が塔に突っ込む写真が出て、何だこりゃ、と度肝を抜かれた。
その数日後、ヨーロッパ全土で(アジア、日本などでどうだったかは知らない)追悼のミサ、礼拝が一斉に正午から行われた。アイルランド(英国も)は時差1時間なので、11時からになった。私もダブリンの仮大聖堂(仮しかない)の外の道路でミサに参加した。まず3分間の黙祷。キョロキョロあたりを見回していたら、右手の上から40歳くらいの女性が緊張した面持ちでプラカードを掲げて静々と歩いて来た。プラカードには英語で「真のテロリストは誰か。USA。グローバリゼイション」と三行で大書されていた。
黙祷中だから誰も手を出せない。警官も動けず、彼女が道路に立つ人々すべてにプラカードを見せ終わった頃黙祷が終わった。警官はすぐ彼女を抑えプラカードをもぎ取った。道路にいたのは大部分がアメリカ人観光客だから、盛んな拍手が沸いた。
ミサが終わって、中にいた大統領・首相・各国大使らが出てくる頃、アメリカ人の女性達が国歌を歌い出した。出てくる要人、高官たちは皆立ち止まって聞き入った。アメリカ人?の多くは涙を流しながら聞いていた。この人たちの前で、先ほどの女性は良くあれだけ勇敢なことが出来たものだ、と改めて感心した。己の信ずることを訴える強さに私は打たれた。