某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

冬虫夏草とトリュフ

2010-02-07 18:15:18 | ぼやき
 1年に一度うまいものを食べる会があって、先日中華料理の店に行った。まるでフランス料理のような中華で、薬膳料理と言ってよいような内容だったが、うまかった。
 赤い色の細いものが少し入っている料理があって、聞いたら「養殖の冬虫夏草です」という。人工栽培という意味だろう。これが中国のオリンピック選手を育てた有名な冬虫夏草か、凄く高価だと聞いたが栽培できるようになったのか、と有難く頂いた。なんだか筋力が付いたみたい。また、中国産トリュフを使った料理も出た。面白いので「やはり豚に探させるのですか」と聞いてみた。「いいえ、豚がトリュフを食べてしまうので、中国では犬に探させています」と言う答え。なるほど、犬はきのこより骨のほうが好きだろう、豚は意地汚いけど、と納得した。
 後刻、インターネットで調べてみて驚いた。日本ではもうとっくに日本冬虫夏草というものを栽培していて、それで薬を作って販売している。中国から輸入する冬虫夏草は乾かしたり加熱したりしないと入れないから、殆ど薬効がないという(日本の業者の説明。)それに比べて日本で育てているものは生のままだから効能がぐんと多いそうだ。豚も犬も、フランスでは特別に訓練してから探させる。だから見つけても食べない。中国の豚は訓練を拒否しているのだろうか。珍味の裏には様々な物語がありそうだ。
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西武線車中の演説-横浜事件と細川嘉六

2010-02-07 00:55:46 | ぼやき
 横浜事件がようやく事実上無罪となった。遅いよ、被害者はもうみんな亡くなったじゃないか、と思ったが、それでも裁判所が始めて拷問の事実を認め、「冤罪」と認定したことの意義は大きいと思い直した。横浜事件を私が知ったのは、中学5年生(現在の高校2年生)昭和22年の時だった。
 敗戦後2年たった昭和22年の秋、私は芋の買出しで西武線(今の西武新宿線、その頃は高田馬場が終点だった)に乗っていた。結構混んでいるように見えたが、皆足元に芋の袋を置いていたから、ぎしぎしの人込みと言う状態ではなかった。どの駅だったか、青年が二人と老人が乗り込んできて、まず青年の一人が「これから参議院議員の細川先生がお話をされます」というようなことをいった。東京は凄いな、と福島から出てきたばかりの私はびっくりした。電車のなかでも国会議員の先生が講演をするんだ、と。細川さんは、戦時中に「世界史の動向と日本」という論文を発表し、それが元で沢山の編集者などがありもしない陰謀会議の出席者とされて特高につかまり拷問されたこと、自分の論文の正しさは日本の敗戦で立証されたことなどを語った。電車は動いていたし、マイクもないのに(当時はまだそんなもの殆ど使えなかった)、話は良く聞き取れた。皆静かに聞いていたのだろう。
 電車を降りて私はすぐ本屋に行った。「世界史の動向と日本」はパンフレットになって店に横積みされていた。芋を食いながら読んだ。もう内容は全然覚えていないが、既にかなりの部分が当たり前に近いことだったような印象がある。
 先年横浜でこの事件に関する会合があり、初めて参加した。あの会を支えてこられた方々もさぞや一安心されたことであろう。長年のご苦労の一部が報いられて良かったですね。
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