ほんらいの志に応えるために

2014年04月21日 | Weblog
▼通称「水曜アンカー」(関西テレビの報道番組・スーパーニュースアンカーの水曜版)の最新分は、4月16日に放送しました。
 その生放送のあと、いつもに増して沢山のEメールや、この地味ブログへの書き込みを頂きました。今も続いています。
 テーマは拉致事件でした。
(日本のマスメディアは多くの場合、「拉致問題」と呼んでいます。しかし、わたしたちの同胞を誘拐・拉致した北朝鮮の犯人たち、そして何よりも日本における協力者たちを逮捕し、裁かねばなりません。協力者のなかには、実名も、日本国内の現住所も分かっている犯人たちが複数、いまも居るのに、日本政府は放置してきました。ですから、まず事件として取り組まねばなりません)

 あらためて驚くぐらい沢山のEメール、書き込みを頂くのは、日本国民が拉致被害者と家族にいかに強く、確かな関心や共感を抱き続けているかの証左です。
 魂から、こころ強く感じます。

 そして、そのEメールや書き込みの、実に99%が、つまりわずかな例外を除いてすべてが「録画しておいて、仕事(あるいは学校)から帰ったあとに視ました」というかたがたです。
 ところが…このみなさんは、番組を視なかったことになっているのです。
 テレビ局がカウントするのは、生で視た人だけです。
 夕方の報道番組であるアンカー(の第1部)は、午後5時前から始まり6時前には終わります。
 働いているかたで視られるのは、夜勤シフトなどの一部のかただけですね。
 学校に通っているひとも、夜学でない限り視られません。そして夜学に通うひとのうち少なくないかたが、昼間は働いていらっしゃるでしょう。
 どうして生で視られるでしょうか。


▼4月16日の「水曜アンカー」の「青山のニュースDEズバリ」コーナーで取りあげたのは、拉致事件をめぐって、たったいま日朝がどんな秘密交渉をしているかという事実です。
 日本国の主人公である有権者が、いま必ず知らねばならない交渉になっていますから、ぼくなりに最大限のさまざまなリスク、たとえば当然ながら抹殺されるリスクも冒して、明かすべきを明かし、語るべきを語りました。
 その背景には、膨大な時間とエネルギーを費やした、政府高官たちとの烈しいやり取りがあります。
 ふつうに言えば、取材とか情報収集とかになりますが、そのようなもので交渉の中身など把握できませぬ。
 政府といえども知らない情報をこちらが掴み、それをただ確認するのではなく、信念と魂に根ざした議論を真正面からぶつけねばなりません。
「どうなりますか」と聞いて、答える当局者などいません。
「こういう情勢にあるから、こうすべきだ」と提起すると、「いや、こういう情勢も別にあるから、こうしている」という答えが返るのです。
 ぼくはこのようにして、20年近かった記者生活のあいだも、たった今も、情報をみずからの脳裏に刻みつけてきました。

 こうしたやり取りを整理して、枝葉を落とし、やり直しも編集も不可能な生放送でいつも明らかにしています。
 今回は、北朝鮮が拉致被害者のうち、どなたを勝手に選んで返そうとしているかや、遺骨返還の名のもとに巨額のキャッシュを労せずして、わたしたちの血税から手にしようとしている動きなどを証言しました。

 しかしテレビ局のカウントでは、4月16日の放送について申せば、その放送を視るより「履き心地抜群の米ぬか靴下を紹介」する番組や、「秘湯めぐり」という温泉話をご覧になっている人が多かったことになっています。
 これもテレビ局の分析では、その時間帯にテレビを(生で)ご覧になっていたかたは、ご高齢のかたが多いことになっています。


▼ぼくはタレントじゃないので、ほんらい、視聴率は関係ありません。
 具体的に言うと、芸能プロダクションと一切、関係を持たないので、タレントのようなギャラ(番組参加料)は全くもらいません。学者や評論家や芸術家や大新聞の論説委員と言いながら実際は芸能プロダクションに属して視聴率に比例するギャラをもらう、こういうことも一切しません。

 しかし視聴率が、危険をも踏み越えるコーナーよりも、リスクのまったく無い「靴下選び」や「温泉めぐり」のほうが高いとなると、そのコーナーが存続できる可能性はどんどん失われていきます。
 特定の局がどうのこうのでは無く、テレビ界全体の問題です。
 関西テレビだけに無理を強いても、どうにもなりません。


▼ぼくは関西テレビに長年、「水曜アンカーの中身を広く配信してくれという要望が、ぼくにも局にも沢山、たくさん来ていますね。実行しましょう」と提案して、時には烈しい怒鳴りあいにもなりましたが、今のところは、まったく実行されていません。
「録画しての視聴も、視ている人にきちんとカウントしましょう」とも提案してきましたが、先日、「テレビ局からは何も言えません。リサーチ会社のすることですから」という返答がありました。
 そんなことはあり得ません。視聴率をめぐるリサーチ会社の最大の顧客が、テレビ局なのですから、テレビ局がきちんと意見を言えば黙殺はできるはずもありません。


▼アンカーという報道番組は、当時、関西テレビの報道局にいた、ひとりの日本男児の発案から始まりました。
 夕方のニュースという勝負の時間帯で、キー局の番組を買わずに、全国ニュースも自前でやろうという凄い志です。(それが現在のアンカー第1部です)
 これを報道局、報道部の記者、ディレクター、プロデューサー、若手から中堅どころが支えて、水曜アンカーも始まったのです。
 ぼくなど、番組のいち参加者に過ぎません。
 この初期の志に応えるためにも、見直すべきではないでしょうか。
 わざわざ毎週、録画をセットして、仕事場や学校から疲れて帰ってきたかたがたが楽しみにして視てくださる、それをカウントから外してどうしますか。

 あらゆるテレビ局は「録画視聴だと、CMを飛ばして視るのじゃないか」と考え、スポンサーの意向を気にしているのです。
 しかしCMを視ない人は、生でも録画でも、視ないでしょう。
 生活情報として視る人は、生でも録画でも、視るでしょう。たとえば、ぼくはあまりテレビを視ませんが、視るときは、CMをむしろ愉しんで視ます。生も録画も関係ありません。
 スポンサーも、偽の視聴率ではなく、本物の視聴率を知りたいはずです。
 独研(独立総合研究所)は宣伝をしませんが、もしも仮にやるのなら、録画視聴もちゃんとカウントした本物の視聴率でないと知りたくもありません。(実際の独研はテレビCMも含めて、今後も宣伝は致しませぬ。なにか書くと必ず、トンデモ誤解の書き込みもあるのですが、誤解なきよう…)


▼きのうの4月20日日曜日、神戸で第28回の「独立講演会」を開きました。
 ぼくは小説新作の改稿〆切と、ノンフィクションの新刊「その時が来る 祖国は甦る」(ロングセラーになっている「ぼくらの祖国」:扶桑社の続編ないし正編)の〆切がダブルで来ていて、10日以上、ほとんど寝ていないという最悪の心身でしたが、それでも、この自主開催の有料講演会に今回も400人を超える沢山のかたがたがお出でくださっていて、こころから勇気づけられました。

 最前列のど真ん中に、若い女性が居て「もしも未婚でいらしたら、海上自衛官の奥さまになることも考えてくださいね」と講演中に話したら、なんとほんとは16歳の高校生でした。
 その右隣にいらっしゃた女性、何人か挟んで左にいらっしゃる男性、いずれも皆勤賞か、それに近い熱心な参加者なのですが、なんと、この少女のご両親でした。
 とても可愛い、素敵な女子高生なのですが(ぼくはお世辞は申しませぬ)、水曜アンカーを毎週、まさしく録画して視てくれていて、しかも同じく録画視聴を続けている同級生と毎週、ぼくの伝えた内容をめぐって議論するのだそうです。
 もう内心で、感激と感謝でした。
 そもそも4時間半から5時間に迫る長尺の講演会に、16歳が最後まで参加してくれること自体が、感動です。
 そして、もっともっと年下の参加者もいらっしゃいます。
 みんな、連帯すべきを連帯しましょうね。
 年齢も性別も収入格差も何も、関係ない!


▼その独立講演会の次回の申し込み受け付けが、きょうの正午からすでに始まっています。
 今回は東京開催の番です。
 この頃は、東京の方が関西よりさらに参加者が多くなっていて、新しい会場です。
 かつては、祖国がペリー艦隊を迎え撃とうとしたお台場の会場を使っていたのですが、とっくに収容可能人数をどこも超えてしまい、大手町のサンケイホールにしたのですが、ここも超えてしまいました。
 夏には、早稲田大学の大隈講堂も使ってみるつもりです。収容人数、実に1000人以上です。
 それは夏以降の話なので、今回は収容可能人数を超えてしまって抽選になる可能性があります。

 独研(独立総合研究所)の公式HPにある申し込み要領(ここです)から抜粋して、下に掲げておきます。


第29回 独立講演会@東京 (2014年 5月24日 : お申込みの受付を開始しました)

【講演日】
2014年5月24日(土)
【講演時間】
開場:13時00分
開演:14時00分 ~ 18時30分 予定
【講演内容】
「祖国、アジア、世界を、あなたと一緒にどうするか その2」
【会場】
ベルサール神田 イベントホール(2階)
〒101-0053 東京都千代田区神田美土代町7 住友不動産神田ビル
Tel.03-5281-3053
「小川町駅」B6出口徒歩2分(新宿線)
「新御茶ノ水駅」B6出口徒歩2分(千代田線)
「淡路町駅」A6出口徒歩3分(丸ノ内線)
「神田駅」北口徒歩7分(JR線)
「神田駅」4番出口徒歩7分(銀座線)
「大手町駅」C1出口徒歩8分(半蔵門線,丸ノ内線,東西線,三田線,千代田線)
詳細は、こちらへ。
【受講料】
一般 5,000円 / IDC(インディペンデント・クラブ)会員 4,000円
【申込期間】
2014年4月21日(月)正午~ 2014年5月7日(水)正午
※申込期間内のみ、申し込みを受付致します。
【申込方法】
「申込フォーム」ボタンをクリックし、リンク先のページよりお申込みください。ここです。
【抽選結果通知】
当選・落選発表は、5月7日(水)申込締切り以降、メールにてご連絡致します。
※会場の規模によって抽選になる場合がございます。
【禁止事項】
※参加資格の譲渡
※講演の撮影・録音・録画
※講演中のパソコンの使用
※事前にお申込をされていない方の入場
【問い合わせ先】
独立講演会 運営事務局
※電話でのお問い合わせは対応しておりませんので、ご了承下さい。
※独立講演会については、独研の総務部では対応しておりません。
※独立講演会とは別途、青山繁晴や青山千春博士の講演会を開きたいかたは、こちらまで。


最新の画像もっと見る