Our World Time

あんまりにも、びっくり

2012年11月29日 | Weblog


▼東京の都心に、ある良心的な若手の和尚さんのいるお寺がある。
 お坊さまに、若手、という表現はちと、変かな。
 でも、実年齢は知らないけど、さらりと気負いなく戦っている、気さくなご住職で、まさしく「若手の和尚」さん、という感じなのだ。 

 先日、そこのお寺で、檀家さんたちや、和尚さんのお知り合いのみなさんを相手に、つたない講演をした。
 和尚さんのご依頼は、「硫黄島の英霊や、沖縄の白梅の少女たちの話をしてほしい」ということだったから、ぼくは話し始める前から、すごく嬉しかった。

 福島原子力災害が始まってから、みんなの不安に応えるためにも、話さねばならないことが増えすぎて、どの講演会でも、硫黄島の英霊のかたがたや、沖縄の白梅学徒看護隊の少女たちのことを話す時間が、まともに取れなくなって、胸のうちで、とても苦しかった。

 だから、この若手の和尚さんの注文が嬉しくて、当日は、ぼくなりに懸命にお話をした。
 司会は、なぜかインディペンデント・クラブ ( IDC/独立総合研究所に事務局のある会員制クラブ。ぼくと一緒に国会を訪ねたり、雪上集会といってスキーをしたり、いろいろな機会で一緒に勉強したり、考えたり、心と体を鍛えたりするクラブ )の女性会員の Y さんが務めてくれた。
 この司会も素晴らしかった。Yさんは、わざわざ名古屋から来てくれた。最前列で、たくさん涙して、ぼくの、うまくもない話を聴いてくれた。
 そして、若いひとから、働き盛り、高齢のかたまで、みなみなさまが、心を開くと言うより魂を開くように、熱心に聴いてくださった。


▼きょう、ニッポン放送のラジオ生番組「ザ・ボイス」に参加するために社有車の運転席に座ろうとしたとき、独研(独立総合研究所)の総務部から「あのお寺から、来年もお願いしますと依頼がありましたよ。来年は、チベットの話も頼みます、ということでした」と聞いた。
 ぼくは、若手和尚さんの心意気を感じて、また嬉しかった。

 すると、総務が「それで、社長、講演料なんですが…」と口に出した。
 ぼくは、すこし驚いた。

 なぜか。
 独研の総務が、講演料はいくら、などといったことを、ぼくに伝えることはまず、ないからだ。
 それは、講演を望まれるかたたちが、独研の総務部と調整することだ。そこで調整が完了することだ。
 ぼくの財布には、講演料を1円も入れない。すべて独研に入れて、メタンハイドレートの調査研究費をはじめ、独研の運営資金にする。ぼくはとにかく、講演料の多寡 ( たか/多い少ない )にかかわらず、全身全霊で講演するだけだ。

 どうして、今日に限って講演料の話をするのかと思ったら、その続きを聞いて、ぼくは仰天した。絶句した。
 このお寺での、ことしの講演料と、来年の講演料の両方を、総務は教えてくれたけど、来年が、もの凄く高くなっている。
 独研にとっては最高にありがたいことだけど、いったい、なぜ。

 すると総務は「ことしは、このお寺は、講演仲介業者を通して、依頼してこられましたね。独研は、講演仲介業者には一切、頼んだりしていないことをお伝えしたので、来年については、直接、独研の総務部に言ってこられました。つまり、高くなった差額が、どうも業者に渡っていたようです」
 その「差額」、すなわち、おそらくは仲介手数料というやつの高さに、ぼくは心の底から驚いた。あんまりにも、びっくり。


▼お寺の経営は決して楽じゃないでしょう。
 ぼくに講演を頼むには、独研の公式HPにあるフォーマットに書き込んで送信するだけだ。ここです。
 仲介料など、1円も、1銭も、かからない。

 講演仲介業の方々の仕事を邪魔するつもりは、ゆめ、ありませぬ。
 それはそれで、どうぞ頑張っていただきたいと思う。
 しかし、そのビジネスは、講演仲介業者と契約を結んでいる講演者とご一緒に、なさるべきでしょう。

 ぼくも、独研も、講演の仲介を頼んだことは一度たりともないし、これからも、決してない。
 社長のぼくの講演だけではなく、自然科学部長の青山千春博士の講演であっても、まったく同じだ。

 講演を望まれる、あるいは検討されているひとが、ぼくの名前を検索すると、自動的に、特定の講演仲介業者のサイトに飛ぶようになっている例もある。
 そして、そのサイトでは「当社の講師一覧リスト」なんてのがあって、ぼくの名前が、一切なんの連絡も了解もないまま、まったく勝手に、載せられていたりする。
 これは、すこし行き過ぎではありませぬか?
 ぼくは、お抱え講師じゃない。
 ぼくらは、何のしがらみもないから、「独立」総合研究所なんです。


 講演を望まれる個人や会社などなどで、ふだんの講演仲介業のかたがたとのお付き合いとか、あるいはお金が余っている?とかで、どうしても講演仲介業者を通したいというかたがたは、もちろん、それでまったくOKです。
 講演仲介業者から話が来たから断る、なんてことはしません。わたしたちは、何も分け隔てはしません。先ほども言ったように、講演仲介業者のお仕事の邪魔も、しません。

 しかし同時に、どうぞ、自由に、いつでも、独研に直接、言ってきてください。
 常に、どなたにも、窓を開いています。
 上記の申し込みフォーマットに書き込んでいただくだけです。



さてさて、この「On the Road」にアクセスしてくださるみなさん(※追記しました)

2012年11月28日 | Weblog


▼さらに格段にハードになっている日程のなかで、なかなかこの地味ブログの更新ができずに来ましたね。
 気がつくと、わたしたち独研(独立総合研究所)の自主開催している独立講演会についても、来月12月の開催分をみなさんに伝えることすら、できずにいました。
 もう締め切り目前ですが、ことしとしては最後になる締めくくりの独立講演会でもあり、年末のお楽しみ会もありますから、このエントリーの後半に記しておきます。
 関心があるかたは、どうぞ恐縮至極ながら、お急ぎください。


▼さて、この個人ブログのいわば再開として、「日々の点描」をこれから、ふたつのタイプに分けて、短くてもアップしていこうと思います。

「日々の点描 オン・ボード」は、現実とほぼ同時進行。
「日々の点描 イン・ノート」は、すこし遅れての進行。

 ぼくが、ふだん感じていることを、なるべくありのままの時系列で,すこしづつ記していきます。
 つまり、ふだんはすこし言いにくい、語る機会がないことも、書いていきたい。

 後者の 「日々の点描 イン・ノート」は、すでにこのひとつ下のエントリーで開始していますね。
 したがって、ここにまず、それの「その2」をアップし、次のエントリーから、「日々の点描 オン・ボード」を「その1」から始めます。
 気が向けば覗いてみてください。

 ただ、前にも申したように、独研から会員制で配信しているレポート「東京コンフィデンシャル・レポート」(TCR)の執筆と配信が最優先であることは、変わりません。

(※なお、この個人ブログは移行作業中です。移行作業はやや難航していますが、移行が完了すれば、ここでお知らせします)


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*日々の点描 イン・ノート その2

【10月6日土曜/お昼まで】

▽ほぼ徹夜のまま、早朝に自宅からタクシーに乗る。体調は…うーむ、ちと、きつい。
 羽田空港から大阪へ向かう。
 テレビ大阪の「たかじんnoマネー」という番組に参加するためだ。

▽大阪の伊丹空港に着くと、いつもの個人タクシーが待っていてくれる。
 この運転手さんのAさんはなんと、ボランティアで待っていてくれるのだ。
 もちろん、タクシー代はふつうにお支払いする。けれども待ち料金その他は、とらないで、こうやって待っていてくださる。

 Aさんは最初は、関西テレビの車輌部に、ふつうに配置されている運転手さんだった。
 関西テレビの報道番組「スーパーニュース・アンカー」に参加するとき、何度か、たまたま乗っているうちに,お人柄をぼくは信頼した。運転ぶりも、安定している。

 ぼくは、ただのアマチュアながらレーシング・ドライバーなので、いくらかは車の動きが体に伝わってくる。そうでないと、サーキットでは死に直結してしまう。
 タクシーに乗っているとき,運転手さんの気づいていない蛇行や、タイミングの合っていないブレーキングで、すこし疲れるときもある。
 それに、伊丹空港に行くはずが神戸空港に向かってしまう運転手さんなども案外いて、タクシーのヘビー・ユーザーでいるのも、そう楽じゃない。。

 ぼくが、Aさんに信頼感を話すと、Aさんは「実は、女房も私もファンなんです」とおっしゃり、その後、個人タクシーに転身なさった。
 もちろん、それはAさんの人生設計によるのだろうけど、個人タクシーの自由な立場を活かして、大阪近辺であればどこでもいつでも待っていてくれるし、どこへもいつでも行ってくださる。
 ほんとう助かっている。

 ぼくは常に時間がない状態だから、政局のキーパーソンをはじめ当事者たちにかける電話も、タクシーに乗っている時間を利用するしかないときもある。
 Aさんがどんなに口が堅いか、それも深く、信頼できるので、ほんとうに助かっている。
 ただし電話の相手が誰なのかは、決してAさんに伝わらないように話し、ぼくは相手の語ることを繰り返したりせず、話の中身はまったく分からないようには、している。
 そして車中の電話は、そもそもやはり例外的だ。たいへんに急ぐときに限る。
 ほとんどは、ホテルの部屋か、独研の社長室か、あるいは自宅の書斎か、いずれにせよ、たったひとりでいる時に電話している。
 Aさんはフルに信頼できる。信頼の問題ではなくて、Aさんに負担をかけないためだ。

▽Aさんが今日もしっかり運転してくれたタクシーで、かなり早めに、大阪・天満橋のテレビ大阪に入る。
 参加(出演)者のなかでは、一番乗り。
 ぼくは正直、ふだんテレビ局にこんなに余裕を持っては入れることは少ない。前後の日程がぎしぎし音を立てるように詰まっているから。

 だけど、この番組は今、メインキャスターのやしきたかじんさんが闘病なさっていてお休みだ。
 プロデューサーらから「たかじんさんが復帰するまで、真鍋かおりさんと一緒に番組を支えてくれませんか」と言われ、OKした。
 もちろん、たかじんさんの代わりということでは全くない。そんな僭越なことはできないし、たかじんさんはシンガーソングライターでありタレントであり,芸能界のひと。ぼくは芸能界とは関係ない。
 しかし、OKした以上は、男の約束だ。
 ありのままに言えば、かなり無理を押してでも、一番乗りでスタジオに入るようにしている。

▽午後1時、まず1時間の生放送が始まる。

(…以下、その3へ続く)

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▼前述のとおり、独立講演会を締め切りぎりぎり(…申し訳ない)にお伝えします。
 以下は、独研の公式HPからの抜粋です。


【第13回 独立講演会  2012年12月23日講演】

【講演日】2012年12月23日(日:天皇誕生日)

【講演時間】
開場:12時30分
開演:13時00分 ~ 19時00分
※講演会の後にお楽しみ会を予定しています。

【講演内容】
「2013年を展望する」

【場所】
チサンホテル 新大阪 会場No,3
〒532-0011 大阪府大阪市淀川区西中島6-2-19
Tel.06-6302-5571
JR新大阪駅から徒歩6~7分、地下鉄御堂筋線新大阪駅から徒歩5分、
地下鉄御堂筋線西中島南方駅から徒歩5分、阪急京都線南方駅から徒歩5分、伊丹空港から車で約30分
詳細は、こちらへ。

【受講料】
一般 5000円 / IDC(インディペンデント・クラブ)会員 4000円

【申込期間】
2012年11月22日(木)~ 2012年11月29日(木)正午
※申込期間内のみ、申込を受付致します。

【抽選結果通知】
当選・落選発表は、11月30日(金)以降、メールにて連絡いたします。

【申し込み方法/注意事項】
・今回の申し込みは、独研ホームページからのお申込みに限ります。→こちらです。
・メールアドレスは、個人のメールアドレスを正確に記入して下さい。
・全ての連絡は、メールにて送ります。メールアドレスが間違っていると連絡が取れなくなりますので、ご注意下さい。
・FAX、メール、郵便でのお申込みは受け付けておりませんので、ご了承下さい。
・申込完了後、ご記入いただいたメールアドレスに、申込受付の確認メールが届きますので、必ず確認して下さい。
・確認メールが届いていない場合は、正常に申込が完了していない可能性がございます。
・ご不明な点については、お早めに講演会運営事務局に、メールでお問合せ下さい。
・電話でのお問い合わせは受付致しませんのでご了承下さい。

◎講演の録音と録画は固くお断りいたします。

【問い合わせ先】

独立講演会 運営事務局
※電話でのお問い合わせは対応しておりませんので、ご了承下さい。
※独立講演会については、独立総合研究所総務部では対応しておりません。

日々の点描 その1

2012年11月11日 | Weblog



▼いつも一緒、どこでも一緒のモバイル・パソコンから、ううーん、うわーんという大きな唸り声が響き始めました。
 こうしたことは、1年半ほどで必ず起きることです。

 深みのある臙脂(えんじ)色のボディを、思わず、しみじみと撫でてしまった。
 いつもいつも小脇に抱え、1分でも2分でも、時間があれば開くモバイル・ノート。キーボードの文字は、いくつも磨り減って消えてしまい、手のひらが載るあたりはテカテカに光り輝いています。
 ぼくと一緒に、無理に無理を重ねてくれるモバイル。また1台が、早すぎる寿命を迎えました。

 穏やかな使い方に比べて早く命が尽きることが分かっているので、独研(独立総合研究所)の情報システム管理部が、もう次のモバイル・ノート・パソコンを準備していてくれました。
 今度は、すこし大袈裟に言えば、きもちに染み入るような青色の、より小ぶりなノートです。

(ちなみに、新旧モバイルのいずれも、パナソニックのレッツノートを、独研・情報システム管理部もぼくも一致して選びました。
 ずいぶんと沢山のメーカーを使い歩いて来ましたが、決め手は、やはりその丈夫さです。モバイルを抱えたまま疾駆していて、そのまま胸からコンクリート地面にもんどり打って倒れたときも、びくともしなかったですね。

 日本のパソコン・メーカーは海外に生産を移すところも少なくないですが、レッツノートは基板からすべて、ぼくの生まれた神戸の工場で生産しているそうです。
 まさか宣伝をしているのじゃなくて、パナソニックも今、巨額の赤字に苦しみ、ぼくに日本経済の行方を心配して質問するメールも、たくさん届いています。
 パナソニックに限らず、頑張れ、日本メーカー。
 こんなに頼りになるプロダクツを、モラルと質の高い国内労働力でつくることができるメリットを、よく活かしてほしい)


▼さて、その青色ノートで、久しぶりにこの地味ブログに書き込みます。
 しばらくのあいだ、「日々の点描」と題して、日常をありのままに、ただしごく簡略に、綴っていこうと思います。

 このところブログに書き込んでいなかったのは、独研から会員制で配信している「東京コンフィデンシャル・レポート」(TCR)の執筆を優先しているからです。
 志を持って、負担に耐えて、参加されている会員ばかりです。TCRが最優先なのは今後も変わりません。


▼「日々の点描」は、この日からスタートしましょう。
 それは、今から1か月と1週間強まえの10月5日金曜です。


                ✴✴✴✴✴✴✴✴  


【西暦2012年、平成24年、わたしたちの大切なオリジナルカレンダー・皇紀2672年10月5日金曜】

▽朝、自宅から真っ直ぐ、まず東京タワー下のお寺、心光院に向かう。
 夭折された流通ジャーナリストの金子哲雄さんの葬儀がおこなわれる。

 ぼくは以前、この地味ブログにこう記した。

~金子さんは、その(テレビ番組の)控え室に居たみんなに、「毎週木曜日のザ・ボイス(ニッポン放送のラジオ番組。ぼくが木曜にレギュラー参加している)を必ずぜんぶ聴いて、言葉もぜんぶ覚えて、自分の出るラジオ番組で、勝手に南青山繁晴でーすと名乗って(南青山は都心の地名。それに引っかけたジョーク)、青山さんの受け売りの話をするんです。ふはは」と楽しそうに何度も、ほんとうに楽しそうに何度も話された。
 ぼくは、明るい一方にみえる金子哲雄さんの日本を憂う志を、はっきり感じた。
 すっきり痩せて、さらに若返った感じで、これからもっと活躍されるだろうと考えた。~

 車を運転しながら、そのことがまた思い出される。
 近くの公共駐車場に停めて、お寺に歩いて行くと、焼香の長い列ができている。
 テレビ局でお会いしたことのあるタレントやお笑いのひとが別の入り口から中に消えていくけど、そのまま一般焼香の列に並ぶ。
 列には、若いひとがとても多く、金子さんがまだ世を去るような年齢じゃなかったことが、あらためて実感される。

 ながい時間のあと、焼香の番が来た。
 一瞬の祈りを捧げたら、もう、永遠のお別れである。
 金子さんがご自分で選んだという写真は、痩せる前の、ふくよかに、にっこり笑う金子さんだった。
 どのかたが奥様なのかも分からず、自分でも不器用だと思う一礼を、あちこちにして、うつむいて去った。

 葬儀のちょうどその時間、ぼくは、大腸の癌やポリープの術後診察のために病院へ行く日程が入っていた。
 それをキャンセルしての参列だったから、金子さんから「青山さ~ん、駄目ですよ。もっと大事にしてくれなきゃ」と言われている気も、すこし、した。

▽心光院から永田町へ。
 日本海のメタンハイドレートをめぐって、国会議員とささやかに議論するために議員会館へ。
 無償の努力をこそ、続けたい。


*(以下、11月13日火曜朝4時30分、記)
 金子さんの突然の訃報から、まだ1か月半も経っていません。しかし世の中はあっという間に、先へ進んでしまった感があります。
 空しい、寂しい気持ちは避けがたい。
 それでも、ぼくを含め、たくさんの、たくさんの人々の胸には彼が生き続ける。
 あの日、金子さんのために並んでくださっていたみなさん、そうですよね。



(註 タイトル下に自動的に表示される投稿日は、間違っています。実際の投稿日は、11月13日ですが、11日と誤表記されています。なぜ、こうなるのか分かりません。いずれにせよ、この個人ブログは、gooから移転します。ウルトラ多忙のために準備に時間がかかっているだけです)